はじめに:胃ろうへの関心は高まっている
近年、延命を目的とした高齢者の胃ろうの造設の是非への関心が高まっています。
むやみな胃ろうの新規造設が減るよう平成26年に診療報酬が改定されましたが、今後も高齢化に伴い、胃ろうのニーズは変わらずあることが考えられます。
そこで今回は、胃ろうの手術についてまとめていきたいと思います。
※胃ろう:PEG=Percutaneous Endoscopic Gastrostomy : 経皮内視鏡的胃瘻造設術
胃ろうのメリット・デメリット
胃ろうとは内視鏡を使って胃に空けた小さな穴のことを言います。
認知症や嚥下障害で経口摂取が難しい方や誤嚥性肺炎を起こしやすい人が、その小さな穴から水分や栄養を摂り、全身状態を安定させるための経管栄養法のひとつです。
胃ろうのメリット
- ・長期に渡って栄養管理が可能
- ・鼻からチューブを入れるより体への負担や苦痛が少ない
- ・食事介助よりも介護する側の負担が軽い
- ・喉にチューブがないため、摂食訓練などが行いやすい
- ・高齢者の死因となりやすい肺炎のリスクを下げられる
胃ろうのデメリット
- ・唾液が減少し口腔内が不潔になりやすい
- ・腸ろうと比べて逆流を起こしやすい
- ・体力が低下していると合併症を起こすリスクが高い
- ・胃ろう周辺のスキントラブルが起こりやすい
- ・認知症などの場合、カテーテルを自己抜去する可能性がある
- ・1~2ヶ月か半年に一度カテーテルの交換が必要
- ・施設への入所が比較的難しくなる
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