胃ろうとは、何らかの理由で経口摂取が難しくなった方が胃に穴を開けてチューブを通して直接胃に食事や薬を投与する処置です。
胃ろうを造設すると手術の費用だけでなく、その後も管理が必要となり栄養剤にも費用がかかります。
今回は胃ろうに関わる費用とは、をテーマに胃ろうにかかる費用の実際についてまとめていきます。
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胃ろうの手術に必要な費用
胃ろう造設に必要な費用
胃ろうの造設に必要な入院期間は1週間程度になります。
医療費が1割負担であれば1万円程度です。
その他、手術代に加え薬代などの治療費、入院に伴う入院基本料、差額ベッド代、食事代、雑費が必要になります。
これらの費用は保険が適用されますが、差額ベッド代、食事代、雑費は健康保険の適応外となり全額自己負担です。
胃ろうカテーテル交換に必要な費用
胃ろうカテーテルの交換にも医療費がかかります。
内側のストッパーの種類により交換時期は異なりますが、いずれも劣化し、汚れも付着するため交換が必要です。
バンパー型の場合は半年に1回、バルーン型の場合は1~2ヶ月ごとに交換になります。
胃ろうカテーテルの交換時は、カテーテル本体の値段、交換時に使用する内視鏡やレントゲンで確認する費用、医薬品の費用が必要になり、合わせて3000~10000円の自己負担が発生します。
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胃ろうの管理に必要な費用
胃ろうで使用する栄養剤は食事か医薬品かは医師の判断による
胃ろうで使用する経管栄養剤を食事と捉えるか医薬品として捉えるかで、保険適応になるかどうかで大きく異なります。
在宅生活を送るうえでできるだけ医薬品として処方してもらえればよいですが、身体の状況により使用できる栄養剤が異なりますので、医師との相談が必要になります。
医薬品で扱う経管栄養剤では1ヵ月20000~35000円の費用が必要です。(1日に1200キロカロリーを30日間注入する計算です。)
胃ろうに使われる栄養剤には様々な種類がある
患者の病気や栄養状態に合わせた栄養剤の選択が重要になります。
その分類のひとつに病態別に分けられるものがあります。肝不全用、腎不全用、糖尿病用、呼吸不全用、がん患者用、免疫調整栄養剤、の6種類があります。
それぞれの病態で引き起こされうる代謝異常を予防・改善するための組成になっています。
必ずしも病気に応じた栄養剤を使う必要はありませんが、選択肢の一つとして理解されるべきといえるでしょう。
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