看護師にバーンアウトを引き起こさせる原因 〜労働環境、個人の特性〜
バーンアウトの原因1 労働環境
看護師のバーンアウトの要因は多岐に渡りますが、その中でも環境が看護師に影響を与えるものの例としては以下のものが挙げられます。
- ・大きな仕事負担
- ・高難度の仕事
- ・夜勤
- ・看護における不全感
- ・患者の死体験
- ・職場の対人関係の葛藤等
画像出典:jsomt.jp
看護師は業務の量が多いことに加え、高度の技術が多く求められ、高い責任感が必要とされます。
また、夜勤もあるために生活のリズムが不規則になるなど、職業上、身体的負担が貯まりやすい環境にあるのです。
これらの要素が、バーンアウトを引き起こす要因となっています。
「看護における不全感」や「患者の死体験」などもバーンアウトの大きな要因となる
看護師の職業柄、患者の死というものは避けては通れないものです。
長期間において、看護をしていた患者さんの死は看護師にも大きな影響を与え、バーンアウトの大きな要因になることが調査からわかっています。
・患者の死体験は,患者と長時間接し,患者と関わりの深い看護師にとって多大な精神的負荷を与えるものであり、バーンアウトに大きく影響するものと考えられる.
・「看護における不全感」は、大学病院に勤務する看護師を対象とした先行研究におい て,ストレス要因として抽出された「職場の人間関係」「看護における不全感」「患者の死体験」「労働過多」「医師への不信感」の 5つの因子の中で最もバーンアウトを発症しやすい要因であると報告されている
・看護師は,忙しい業務に追われ,なかなか患者との時間が取れない状況の中,不全感を抱くことが多いのではないかと考える.
参考文献:看護師のバーンアウトに関連する要因
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