ターミナルケアで緩和ケアを併用し、より充実した人生を目指す
ターミナルケアの段階では、緩和ケアを組み込むことで最大限苦痛を取り除くことが行われます。
苦痛を排除しながら、残りの人生をどのように充実させるかを考えながら実現していくのです。
その点、看護師はケアチームの一員でありながら、日常の中でも患者さんや家族と最も近い位置にいることが多いといっても過言ではありません。
患者さんへのケアは一人一人異なります。
どのように患者さんやその家族と向きあっていくかという点については、常に自問自答が必要かと思います。
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看護師としての視点で汲み取る
患者に最も身近な看護師がやるべきこと
ターミナルケアについても緩和ケアについても、患者さん本人や家族の困っていることや希望を看護の視点からケアに組み込んでいくことが必要です。
看護師は日々の関わりの中で症状や細やかな変化を汲み取り、ときには代弁者として具体的な方法へ導いていくことも役割となるのではないでしょうか。
※関連記事:フィジカルアセスメントを行うポイント〜いち早く患者さんの変化に気づくために〜
ターミナルケアに携わる看護師が持っている悩み
なお、ターミナル期に関わる看護師の質的研究をおこなった論文をここでご紹介しておきます。
※殿城友紀「一般病棟でターミナルケアに携わる看護師の思い」(日本赤十字看護大学紀要 No. 23, pp. 66~75, 2009)
殿城氏によれば、ターミナルケアに携わる看護師には下記のような悩みがあるとのこと。
- ・情報共有ができず,ケア方針を決めること ができないことに対する困惑
- ・ターミナルケアを行う「プライマリー看護師」としての、責任感や時間の不足といった悩み
- ・患者・家族の希望を聞くことができない悩み
- ・タイミングを逸し,十分なケアを行うこと ができなかった後悔
これらは、緩和ケアにも通ずる問題を内包しているのではないでしょうか。
現在、もしくは近い将来ターミナルケアに携わる看護師さんにとって、非常に示唆深い論文かと思います。
まずは「悩み」について理解することは、きっと明日のあなたの行動へとつながるはずです。
ターミナルケアと緩和ケアの違いとは まとめ
緩和ケアは治療の過程で用いられますが、ターミナルケアは対象の方の最期の時間を考慮したケアです。
そうしたケアの中で、看護師は患者さんと最も身近に接する職種といっても過言ではありません。
一方で、業務過多により、患者さんや家族と向き合う時間が取れないという声もあります。
そうした潜在的なニーズを拾うためにも、是非業務についての理解を深め、よりよい看護を行っていきましょう!
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