「地域包括ケアシステム」とは? ~具体像・実現方法~
地域包括ケアシステムの具体像
では、地域包括ケアシステムは具体的にはどのようなものかと言えば「住まいを中心として、介護予防のサービスを受けながら、必要があれば介護、医療が必要であればかかりつけ医の診療を受け、急性の病気が発症すれば病院に、急性期を脱すればまた地域にもどる、という一体型のサービスを提供する」ということを指します。
これは、下図でも示されている通りです。
また、地域包括ケアシステムでいう地域とは、概ね30分以内に行ける地域(中学校区を目安)が想定されています。(参考)
画像出典:mhlw.go.jp
地域包括ケアシステム、2025年の実現に向けて
地域包括ケアシステムは、2025年の実現目標を打ち出しています。
2025年と言えば、団塊の世代が高齢者となる年(「2025年問題」と呼ばれることもあります)。
そんな社会的変革期を迎える2025年に地域包括ケアシステムを機能させておくことは、非常に重要な課題というわけです。
この点、「機能させておく」ための条件としては、下記6つが挙げられます。(参考)
- 医療が必要な高齢者や重度の要介護高齢者についても、可能な限り在宅で生活できるよう支えるシステム
- 一人暮らし高齢者や、虚弱な長寿高齢者を在宅で支えるシステム
- 長寿化に伴い、増加が見込まれる「認知症高齢者」を在宅で支えるシステム
- 入院しても、円滑に退院が可能となるシステム
- 在宅での看取りができるシステム
- 利用者や家族のQOLの確保 ができるシステム
つまり、2025年に地域包括ケアシステムが「機能している」と言えるためには、上記6つを具体化する必要があります。
では、これら6つは、どのような行動へと具体化されるのでしょうか?
厚生労働省は、それを「地域包括ケアシステム構築の進め方とPDCAサイクル」という文書で提示しています。そこで示されている概念図が下図となります。
出典:mhlw.go.jp
この図で示される内容は、次回でも取り扱うため、イメージとして頭に入れておきましょう。
まとめ ~高齢化社会をリアルに感じられるかが鍵~
第5回、第6回ではそれぞれ、「在宅療養支援診療所」、「地域包括ケアシステム」について述べてきました。
双方、比較的若い制度で、今後も発展していくことは間違いありません。
そうした中では、制度の担い手(国民と、医師や看護師など医療従事者)が「どれだけリアルに将来像をイメージできるか」が非常に重要となります。
将来のイメージができなければ、「案外乗り越えられそう」とも「このままいくとヤバい!」とも思うことは出来ません。
では、どのようにすれば将来像を描きやすくなるのか?
そのためには、情報が必要です。
今後も、Be Nurseでは重要な情報を整理してお伝えしたいと思っております。
→次回は、「今後の在宅医療・ホスピス界の課題」についてご説明します。
上記2つの制度の課題・問題点についても触れていますので、是非続けてご覧ください!
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