現役看護師・訪問看護師の方へのメッセージ
――最後になります。2025年に向けて様々な変化を迎えている現役の看護師・訪問看護師の人にメッセージをお願いします。
私は、よく芸事などで使われる「守破離」(※)という言葉を感じることが多々あり、大事にしています。
特に、クリティカルシンキングをして型に反発する「破」の部分を、「それでいいんだ」と感じているということです。
新人の頃は教わりながら仕事をこなしていくものですが、その際中に、「もっといい方法ないかな?」「これでいいのかな?」と考えます。
しかし、結局長い目で見ると、やはり経験で培われてきたものにそぐわない方法を自分が選択していることに気づきます。
たとえば、お席でお茶をいただくシーンをとってもそうです。
亭主は一番正面のいいところを楽しんでもらいたいから、柄をお客様に向けて出します。
でも、そこに口をつけるなんて滅相もないから、ずらすわけですよね。
そのずらし方が表や裏で一回ずらす、あるいは、3回ずらすといった多少の違いはありますが、本質はそこ(= 滅相もないという気持ち)にあります。
その本質が分からないはじめのうちは、「こう持ったら3回ずらしましょう」と習うかもしれませんが、そのうち「なんで3回なんだろう?」となってきて、「いただいた正面に口なんてつけるなんて滅相もない」という本質的な意味に気づくことができる。
表か裏かの目に見える微妙な違いがあったとしても、根っこは同じなんです。
こうした形で、どの分野でも最初は「守」から入るのは仕方がありません。
しかし、「守」で終わらず、クリティカルシンキングで「破」をして、もっともっと深い意味を探って「離」にたどり着くと、表層的な部分へのこだわりがなくなってきます。
それが、リーダーにふさわしい人だと思います。
ですので、皆さまには、「守破離」の「守」と「破」を乗り越えて、「離」を体現した「リーダー」に育っていって欲しいと思っています。
(※)日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。 日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。 個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表している。 まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。(引用元)
――ありがとうございました。インタビューをしている私にとっても、本当にためになるお話の数々でした。
以上、いかがでしたでしょうか。
本記事を通して山内先生のお人柄がかなり鮮明に伝わっていれば幸いです。
人が環境に左右されるものであると再認識できたこと、山内先生のような聡明なお話をここまで具体的に伺えたこと。非常に濃密なインタビューでした。
今後も、山内先生のご活躍、そしてアイちゃんからは目が離せません!
最後に、山内先生のご著書やアイちゃんについて再度ご紹介しておきますね♪
山内先生のご著書のご紹介
・山内 豊明『フィジカルアセスメント ガイドブック―目と手と耳でここまでわかる』(2011年12月、医学書院)
・山内 豊明 (著), 荒井 有美 (著)『医療安全―多職種でつくる患者安全をめざして (看護学テキストNiCE)』(2015年4月、南江堂)
・山内豊明 (監修), 岡本茂雄 (編集)『生命・生活の両面から捉える訪問看護アセスメント・プロトコル 改訂版』(2015年7月、中央法規出版)
・大澤 智恵子 (著), 山内 豊明 (監修), パリウムケア (編集)『介護現場で活かすフィジカルアセスメント: 利用者の生命と生活を支える知識と技術』(2016年11月、中央法規出版)
・桑原 美弥子 (著, 編集), 山内 豊明 (監修)『まるごと やりなおしのバイタルサイン: アセスメント力がつく! 正常・異常がわかる!』(2016年9月、メディカ出版)
■看護のアイちゃんについてより詳しく知りたい方
ビーナースでは、同じく「看護のアイちゃん」の開発者の一人である広瀬純子さんのインタビュー記事もご用意しております。
■看護のアイちゃんについて具体的に話を聞いてみたいという方
下記リンクから販売元のセントワークス株式会社に問い合わせをすることが可能です。
※お電話でお問い合わせをする場合は、「ビーナースを見た」とお伝えいただくとスムーズです。
・Web:セントワークス株式会社の「看護のアイちゃん」お問い合わせフォーム
・お電話:03-5542-8073(受付時間:平日9:00-18:00)
■看護のアイちゃんの公式説明をご覧になりたい方
下記のバナーより、看護のアイちゃんの公式サイトへ遷移することができます。
インタビュー内容も加味して、導入のご検討をされてみてはいかがでしょうか?
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☆関連お役立ち情報☆ |
・「言葉で伝えることは重要である」の本当の理由【名古屋大学大学院・山内豊明教授インタビュー1】 ・訪問看護アセスメントの強い味方!「看護のアイちゃん」について伺いました【広瀬純子さんインタビュー1】2017年2月10日 |
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・【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化! |
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