看護師におけるクリニカルラダーの概要
看護実践能力の核としての4つの力とは
『看護師のクリニカルラダー』は、看護実践能力を4つの力と5つのレベルに分けて構成されています。
各レベル毎の定義(力)を示し、4つの力それぞれにおけるレベル毎の達成目標と、それを元にした行動目標を提示しています。
看護実践能力の核として必要な力として、
- ●ニーズをとらえる力
- ●ケアする力
- ●協働する力
- ●意思決定を支える力
の4つの力としています。
画像出典:nurse.or.jp
看護師のクリニカルラダーの5つのレベルとその目標とは
【レベル1】基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する |
*ニーズをとらえる力 [目標]アドバイスを得て患者さんやその(場)のニーズを捉える。 [行動目標] ■アドバイスを受けながら患者さんに必要な必要な情報収集ができる。 ■ 患者さんの状況から緊急度を捉えることができる。 *ケアする力 *協働する力 *意思決定を支える力 |
【レベル2】標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する |
*ニーズをとらえる力 [目標]患者さんのニーズを自ら捉えることができる。 [行動目標] ■自身で患者さんに必要な情報収集ができる。 ■ 得た情報を元に、患者さんの課題を全体像として捉える。 *ケアする力 *協働する力 *意思決定を支える力 |
【レベル3】患者さんに合う個別的な看護を実践する |
*ニーズをとらえる力 [目標]患者さんの特性を踏まえたニーズを捉える。 [行動目標]■患者さんの個別性を踏まえ、必要な情報収集を行い、優先度の高いニーズを捉えることができる。 *ケアする力 *協働する力 *意思決定を支える力 |
【レベル4】幅広い視野で予測的判断を持ち看護を実践する |
*ニーズをとらえる力 [目標]患者さんや状況(場)を統合しニーズを捉える。 [行動目標]■予測的な状況判断のもと、患者さんに必要な身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から必要な意図的に情報収集し、ニーズを捉える事ができる。 *ケアする力 *協働する力 *意思決定を支える力 |
【レベル5】複雑な状況において、ケアの受け手いとっての最適な手段を選択し、QOLを高めるための看護を実践する |
*ニーズをとらえる力 [目標]患者さんや状況(場)の関連や意味を踏まえてニーズを捉える。 [行動目標]複雑な状況を把握し患者さんの多様な状況やニーズの情報収集を行い、判断できる。 *ケアする力 *協働する力 *意思決定を支える力 |
看護師のクリニカルラダーの今後の活用
『看護師のクリニカルラダー』が設定された現在においても、施設ごとにラダーの内容やレベルの基準は異なります。
特に中小規模病院や高齢者介護施設、訪問看護ステーション等では人材不足で教育を行なうことがむずかい状況です。
そんな中、『看護師のクリニカルラダー』により、全国統一された指標で看護師の実践能力を客観的に評価できることにより、あらゆる施設や場で看護実践能力を発揮できることが保証されるようになります。
今後は様々な施設で働く看護職員に対し、統一された実践能力の評価をレベルに応じた役割や処遇への活用等に用いられることが期待されます。
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