訪問看護ステーション開設におけるリスク
【訪問看護ステーションの開設のリスク その.1】開設にかかる多大な費用と時間
訪問看護ステーションは、開設したからといって、すぐに利益が得られるわけではありません。
新規に利用者を集客できない限りは収入がなく、その間は出費だけが増えてくからです。
看護職員や療法士などのスタッフの人件費に加え、事務所の家賃や経費などで月々の出費は数十万円になります。
運営資金の8割が人件費であるという報告もあります。
毎月の出費に対して、それに見合う収入が得られるには、数か月以上もかかることを忘れてはいけません。
【訪問看護ステーションの開設のリスク その.2】 困難な人材と利用者の確保
開設当初、費用を抑えようと考えた時に、人件費や経費をできるだけ抑えるという方法もあります。
しかし、必要な出費を抑えすぎることで良い人材が集まりづらくなるというデメリットがあります。
また優秀なスタッフも少ないことに加え、近隣にすでに開設されている訪問看護ステーションがあれば、新規で実績のないところを利用しようという人は少ないと考えられます。
訪問看護ステーションの収入は、利用者があってこそです。
【訪問看護ステーションの開設のリスク その.3】 利益を増やすために必要な派遣回数の増加
訪問看護ステーションは、利用者がサービスを利用することによってスタッフの派遣回数を増やし、利益も増加させていくことが経営の基本になります。
利用者の状態によっては、報酬に加算がつくこともありますが、こういった医療費、介護費については、時代の流れで変更される可能性があるものです。
加算されれば良いのですが、削減される場合もあることを忘れてはいけません。
【訪問看護ステーションの開設のリスク その.4】 リスクの高い必要資金全額の借入
開設初期は利用者の数が少ないことを考慮すると、当面の運営費は準備資金から賄うことになります。
資金は自費で準備する人もいますが、多額のため金融機関から融資を受ける場合もあるでしょう。
しかし、たとえ訪問看護ステーションの経営がうまくいかなくても返済期限はやってくるものです。
万が一のリスクを回避するためには、少しでも自己資金の割合を多くし必要資金全額を借入れないことをお勧めします。
訪問看護ステーション開設におけるリスク まとめ
高い志を抱いて開設される訪問看護ステーションですが、実際には約3割が赤字となっているそうです。
訪問看護ステーションでは、看護の専門性だけではなく経営者の視点が必要です。
リスクを把握し、事前に対策をたてておくことや、開設後も適宜経営の見直しを行うという姿勢が必要そうです。
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