訪問リハビリの具体的なサービス内容とは?
それでは、訪問リハビリの具体的なサービス内容について詳しく見ていきましょう。
「訪問リハビリテーション振興財団」によれば、訪問リハビリテーションの具体的なサービス内容は、次の3つに分類できます。
1.病状の観察
バイタルチェック(体温、脈拍、呼吸、血圧測定等)・病状の観察や助言・精神面の健康状態の確認と助言・介助者の健康状態の確認と助言、再発予防と予後予測
2.日常生活への指導・助言
ADL指導・身体機能(筋力、柔軟性、バランス等)の維持、改善・痛みの評価と物理療法等の疼痛緩和・福祉用具または補装具、住宅改修の評価と相談・摂食嚥下機能やコミュニケーション機能の改善・QOLの向上や趣味、社会参加促進のための助言
3.介護相談
療養生活、家族への介護指導、精神的な支援・福祉制度利用の助言、相談。
訪問リハビリは、医療保険・介護保険で利用することができます。対象は小児から高齢者の通院が困難な方です。
ご利用に当たっては、主治医の指導のもとに実施されるため、主治医にご相談ください。
画像出典:images.wisegeek.com
訪問リハビリのメリット
訪問リハビリのメリットを次のようにまとめてみます。
- ・利用者宅に伺い、リハビリを実施するため、外出の負担がない
- ・リハビリ内容が日常生活に根差した対応ができるため、問題点に対して直接アプローチが可能
- ・利用者も実生活での動作や自主トレーニング指導を受けられるため、動機付けにつながりやすい
- ・利用者にとって必要な住まい環境を一緒に考えることができる(安全面と活動量の兼ね合いを環境を見ながら相談できる)
例えば、
- ・「○○ができれば自宅のトイレで排泄できますね。」
- ・「あそこのスーパーまで買い物に行きましょうか。」
などということを明確に伝えることで、利用者さんにとってもより身近で頑張って目標に向かえるかもしれません。
訪問リハビリのデメリット
では、ここで訪問リハビリのメリットとは反対に、訪問リハビリのデメリットについて次のようにまとめてみます。
- ・介護保険の場合、訪問回数が基本的に週2時間までという制約がある
- ・集中的なリハビリを希望される方は、他のサービスと組み合わせながら補う必要がある
- ・自宅を見られたくない場合には不向き
- ・大型のリハビリ機器を使えないため、訓練の手段が限定される
- ・食事や入浴と言った、リハビリ以外のサービスを受けられない
- ・他の利用者と交流することができない
一概には、訪問リハビリと通所リハビリのどちらが良くてどちらが悪いとは言えません。
利用者さんの状況次第によって、どちらを利用する、あるいは併用するということをお考えになることが良いでしょう。
▶ 次ページへ:通所リハビリと訪問リハビリの違いはどこにある??
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