「退院支援」の3つのプロセス
退院支援の定義は上述した通りですが、そのプロセスは下記3つに分けられます。
第1段階:スクリーニング
入院時に退院支援の必要になる患者であるか、特定を行います
※入院時の情報収集を行う際に担当看護師が実施する「入院時スクリーニングシート」のサンプルも配布されていますので是非ご参考下さい!(なお、ここで何か一つでもチェックがついた場合には、看護計画を立案するのが、京大病院地域ネットワーク医療部の方法だそう)
第2段階:退院支援の方向性を決定
患者に提供される検査・治療・リハビリ等の状況から、『退院後も継続する医療管理・医療処置は何か』『ADL・リハビリ進行状況から必要な介護は何か』を主治医・リハビリ担当者と検討し、患者・家族との共有・退院後提供できる方法を検討。受け持ち看護師が中心になり、チーム内でサポートします。
第3段階:退院調整
チーム内で退院支援の方向性が固まったら、介護保険などの制度を申請して訪問看護などの地域サービスの調整を行います。また同時に患者さんと家族に退院指導も行っていきます。
画像出典:kango-world.com
「退院支援」のフローとキーパーソン
上述した退院支援の定義や3つのプロセスをご覧になれば分かるように、退院支援の論点は非常に多岐に渡ります。
本記事では、退院支援のフローとメインの登場人物について理解しておきましょう!
退院支援のフロー
退院支援には、上記のように3つのプロセスがありますが、具体的にはどのようなプロセスなのでしょうか。
ここでは、良くまとめられている図を2種ご紹介します。
1つ目は場合分けがされた図です。
病院勤務の看護師の方は、自分の病院はどんな体制なのか思い起こしながら見てみるとよいでしょう。
※「MSW」とは、医療ソーシャルワーカーのことで、病院などに勤務し、患者から寄せられるさまざまな相談に応える相談援助職のことを言います。
画像出典:cabrain.net
2つ目は、これをもう少し具体化して図示したものです。
退院支援・退院調整にご関心がある方は、自分がどのフローに関心を持っているのかという点を意識してご覧になると良いでしょう。
画像出典:kangobu.com
退院支援のキーパーソン
(2011年度のものになりますが)「退院調整看護師に関する実態調査報告書」によれば、下記のように述べられています。
558 病院において、退院調整部門に配置されている職員の職種は、「医師・歯科医師」が 26.3%、「看護師」が 84.2%、「医療ソーシャルワーカー」が86.9%、「事務」が 41.4%だった。「社会福祉士」の配置は 70.4%だった。
いずれの病床規模も「医療ソーシャルワーカー」「看護師」の配置率が高く、また、病床規模が大きくなるほどいずれの職種も配置率が高くなる傾向がみられた。
また、病院内のこれらの職種に加えて、病院外の「ケアマネジャー」や「在宅ケアスタッフ」もキーパーソンとして挙げられるでしょう。
画像出典:退院調整看護師に関する実態調査報告書
なお、同資料には、「看護師」の専門看護師・認定看護師の取得割合についても述べられています。
退院調整部門の看護師について、専門看護師・認定看護師等かどうかたずねたところ、「有り」が 5.7%だった。
具体的には、「訪問看護」認定看護師が 16 件で最も多く、次いで「緩和ケア」「皮膚・排泄ケア」がそれぞれ4件だった。
今後、専門看護師・認定看護師の取得者は確実に増していきます。
退院支援・退院調整に興味がある方は、こちらの取得を取得しておくことは必ず役にたつでしょう。
→参考:認定看護師(訪問看護分野)を取ることで生まれる変化5選
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