【地域包括ケアシステムに係る診療報酬改定2016】退院直後の在宅療養支援に関する評価(用語説明付)

 

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、
在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。

これは、在宅領域が医療・看護・介護業界に関わる”すべて”の方々に大きな影響があることを意味します。

しかし、webサイトでは、政府資料のペーストがされているのみで、情報が整理されているとは言い難いのが実情。
そこで、ビーナースが他サイトに先駆け、「在宅」にかかわる診療報酬改定項目を順次見やすい形に整理していきます。

今回は、中でも「地域包括ケアシステム」に関わる改定項目(「退院直後の在宅療養支援に関する評価」)を、用語解説を含めてご説明します!

 ※公式資料はこちら(本記事に関連するのはp110)/ 以下多分に公式資料より引用部分が含まれています

 

【PR】
看護師の転職を考えている方は
こちらがオススメです♪


※下記画像はイメージです

退院直後の在宅療養支援に関する評価

画像出典:twitter.com

 

「退院支援」について

 

今回扱う診療報酬改定項目は、「退院支援に関する評価の充実」や「医療機関間の連携と退院支援に向けた評価の充実」で取り上げた「退院支援」の一つ後ろのフェーズになります。

そこで今回は、退院支援についてさらっと復習し、本改定の意義に関する日本看護協会の見解をご紹介、そして、看看連携の課題について考察した後、改定内容をご紹介していきます。

 

まず、改めて「退院支援」という言葉のご説明です。

京大病院地域ネットワーク医療部によれば、下記のように定義されています。

 

入院患者が、適切な期間に適切な医療を受け、退院後も安全な療養が継続できるよう入院時から取り組む患者・家族へ提供されるケア

 

また、退院支援のフローは一般的に下記の3つに分けられています。

 

第1段階:スクリーニング(入院時に退院支援の必要になる患者であるか、特定を行います)

第2段階:退院支援の方向性を決定(患者に提供される検査・治療・リハビリ等の状況から、『退院後も継続する医療管理・医療処置は何か』『ADL・リハビリ進行状況から必要な介護は何か』を主治医・リハビリ担当者と検討し、患者・家族との共有・退院後提供できる方法を検討。受け持ち看護師が中心になり、チーム内でサポート)

第3段階:退院調整(チーム内で退院支援の方向性が固まったら、介護保険などの制度を申請して訪問看護などの地域サービスの調整を行います。また同時に患者さんと家族に退院指導も行っていきます)

 

「退院直後の在宅療養支援に関する評価」の意義について

 

日本看護協会が公開している『平成 28 年度診療報酬改定に関する日本看護協会の見解』では、本改定の意義について次のように記述されています。

 

「退院直後の在宅療養支援に関する評価」として、退院直後の病院看護師の訪問指導や、訪問看護ステーション看護師と病院看護師の看看連携が新設されたことは、大きな意義があります。

平成 24 年度改定で創設された、専門性の高い看護師と訪問看護師による同日訪問(「在宅患者訪問看護・指導料3のハ」)のように、病院の看護師が地域包括ケアシステムの一員として地域に出ていくこと、病院と地域が連携することが報酬上でも評価される方向性になってきています。

「退院直後の在宅療養支援に関する評価」の対象患者は、「別表第8(※)又は認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅲ以上」となっており、医療依存度が高い方または認知症の方となります。

この評価の意図は、患者が安心・安全に、納得して在宅療養を継続できるようにすることを目的としています。そのため、医療機関、訪問看護ステーションの看護管理者は、この評価の背景と意図を十分に理解し、在宅療養へのスムーズな移行と継続に尽力することが期待されています。

日本看護協会は、NICU や病棟の看護師が退院支援に効果的に関わることができるよう、研修等を通じて、「生活を支える」視点をもち在宅での療養上の指導を行うことができる看護師の育成を一層すすめ、治療から療養まで切れ目のない、よりよいケアを提供できるような体制整備に貢献していきます。

 

看看連携の課題と本改定の行方

 

看看連携」、つまり「病院の看護職と地域の看護職との連携」自体は、2016年から急に開始するものではありません。

2008年の退院調整加算が新設されたころから始まっている取り組みであり、その課題はいくつか浮き彫りになっているようです。

たとえば、退院調整看護師が配置されていても組織内で十分な機能が発揮できておらず訪問看護師との連携がスムーズにいかないケース、あるいは、訪問看護事業所同士の連携が上手くいかないことなどが挙げられます。

※看看連携の課題については、『訪問看護師から見た退院調整における看看連携上の悩み』という公開文書が詳しいので、参考にしてみてください

 

つまり言いたい事としては、「すでに顕在化している課題は、診療報酬上の加算が増加したからといって消えてなくなるわけではない!」ということです。

とはいえ、加算算定は課題解決のための1ステップ。

引き続き、「現場での運用」に反映し、実践していかねばならないことは、どの改定項目にも当てはまることでしょう。

 

それでは、これまで述べてきたことを前提として、改定内容について具体的に見ていきましょう!

 

▶ 次ページへ:退院直後の在宅療養支援に関する評価の概要とは??

【PR】
看護師の転職を考えている方は
こちらがオススメです♪

関連する記事


【緩和ケアに係る診療報酬改定2016】がん治療中の外来患者の在宅医療への連携の充実(用語説明付)

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。今回は、中でも「(ホスピス)緩和ケア」に関わる改定項目(「がん治療中の外来患者の在宅医療への連携の充実」)を、用語解説を含めてご説明します!