病院や施設にて最期を迎えられた患者さんに対しては、看護師がエンゼルケアを行うことが多いかと思いますが、在宅で亡くなられた患者さんに対してのエンゼルケアはどのようにおこなわれているのでしょうか。
在宅におけるエンゼルケアの方法についてまとめてみたいと思います。
※エンゼルケアって何?と思った方は<こちら>
在宅におけるエンゼルケアの方法1:死亡確認
在宅で最期を迎えるということは、在宅にて死亡確認をしなければなりません。
往診にて医師が自宅を訪問し、死亡確認をする必要があるわけです。
多くの場合は自宅にて患者さんの状態が急変した際、往診で対応してくれるかかりつけ医がいない場合には、救急車などで病院に搬送されます。
そうなると自宅で最期を迎えるということにはなりません。
現状としてはこちらのケースがまだまだ多いです。
在宅でエンゼルケアを行うためには?
また一人暮らしなどで、そっと息を引き取られた場合には、警察にて検視がなされる場合もあります。
これからの高齢化社会においては、在宅で最期を迎える患者さんも増えて来ることが予想されますが、そのためには往診などに対応できる医師の確保や、訪問看護師などとの連携が今まで以上に必要となります。
住みなれた家で最期を迎えたい。
多くの人はそう望んでいますが、実際は病院で最期を迎える患者さんが圧倒的に多いのが現状です。
在宅におけるエンゼルケアの方法2:看護師と家族が患者の身だしなみを整える
在宅にて死亡確認がされ、最期を迎えられた患者さんに対しては、病院や施設同様に「エンゼルケア」をおこないます。
在宅で最期を迎える患者さんの多くには訪問看護師が関わっており、主にエンゼルケアは看護師と家族にて実施されてることが多いです。
「エンゼルケア」の目的は、患者さんを最期にふさわしい状態に整えることにあります。
身体を拭き、頭髪を整え、髭を剃り、化粧をする。
家族の意向や本人の生前の希望などによっては、着物ではなく、生前に使用していたスーツや、仕事をしていた時の制服などに着替えさせることもあります。
病院や施設でおこなうエンゼルケアとは、目的は同じですが、自宅で家族と一緒にという点では、大きく雰囲気が違います。
また在宅で最期を迎える患者さんの家族は、やはり患者さんの死に対しての心の準備をしておられる場合が多く、死と向かい合いながら、より良い形で最期を迎えさせてあげたい、送り出してあげたいと、色々と準備をされている場合もあります。
そんな家族や生前の患者さんの意向に沿ったエンゼルケアを、患者さんの住みなれた環境の中で、家族と一緒におこなうのが、在宅でのエンゼルケアです。
▶ 次ページへ:実際に在宅でエンゼルケアを行った患者さんは??
関連する記事
家族のコミュニケーションを支える言語聴覚士(ST)が在宅で果たすべき役割とは?
総合病院で『言語聴覚士(ST)』と働いた経験がある人もいるかもしれませんが、在宅の現場では、まだまだ会う機会が少ない職種なのかもしれません。いったい訪問リハビリテーションで働く「言語聴覚士(ST)」は、どのような仕事をしているのでしょうか。今回はそんな言語聴覚士の仕事内容と在宅での役割を見ていきます。
「何でも屋」とも呼ばれる作業療法士(OT)が在宅で果たすべき役割とは?
需要の多い作業療法士ですが、どんな仕事をしている人たちなのかイメージできますか?作業療法士(OT)自体は、病院や施設の多くに在籍している職種の1つのです。訪問リハビリテーションの現場でも理学療法士(PT)と同様に採用募集がかけられています。今回はこの作業療法士が現場でどのような役割を担っているのか見ていきます。
理学療法士(PT)が在宅で果たすべき役割とは?
理学療法士は、病院やスポーツの世界で活躍しているに関わらず、なかなか何をしているのかわかりにくく、「リハビリの先生」とまとめてしまってはいませんか?在宅では看護師と密接に連携することもある理学療法士。今回は理学療法士がどのような役割を担っているのか確認してみましょう。
訪問リハビリと通所リハビリの違いとは〜個人で行う訪問リハビリVS集団で行う通所リハビリ〜
入院し治療などを経由した後、在宅生活への環境が整えば在宅に戻ることになりますが、適切なリハビリサービスを導入することで再入院リスクを最小限に抑えることも必要な視点となります。ここでは在宅サービスの中でも、訪問リハビリと通所リハビリの役割をそれぞれ確認していこうと思います。
介護保険の対象者、受けることができる具体的なサービスについてまとめました♪
介護保険という保険制度を聞いたことはあるけど、その内容を詳しく知らないという人は多いかと思います。前半は介護保険とその対象者について解説し、後半には介護保険で受けられる具体的なサービス内容についてお伝えしたいと思います。