【地域包括ケアシステムに係る診療報酬改定2016】小児在宅医療に係る評価の推進(用語説明付)


 

平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。

これは、在宅領域が医療・看護・介護業界に関わる”すべて”の方々に大きな影響があることを意味します。

しかし、webサイトでは、政府資料のペーストがされているのみで、情報が整理されているとは言い難いのが実情。

そこで、ビーナースが他サイトに先駆け、「在宅」にかかわる診療報酬改定項目を順次見やすい形に整理していきます。

今回は、中でも「地域包括ケアシステム」に関わる改定項目(「小児在宅医療に係る評価の推進」)を、用語解説を含めてご説明します!

 ※公式資料はこちら(本記事に関連するのはp116-117)/ 以下多分に公式資料より引用部分が含まれています

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※下記画像はイメージです

小児在宅医療に係る評価の推進

画像出典:mbal-devin.com

 

「超・準超重症児」について

 

超・準超重症児とは? その違いについて

 

まず、超重症児・準重症児という言葉のご説明からです。

医科診療報酬点数表2012年によれば、下記のように定義されています。

 

・超重症児(者)とは判定基準による判定スコアが25点以上であって、介助によらなければ座位が保持できず、かつ、人工呼吸器を使用する等、特別の医学的管理が必要な状態が6月以上継続している状態であること

・準超重症児(者)とは判定基準による判定スコアが10点以上であって、超重症児(者)に準ずる状態であること

 

では、点数は具体的にどのように決められるのでしょうか。

 

超・準超重症児の判定スコアおよび判定について

 

上述した通り、超・準超重症児は、スコアに基づいて判定がなされます。

その具体的な判定基準(スコア)は下表の通りです。

 

超・準重症児の判定スコアについて
 

1.運動機能:座位まで

 

2.判定スコア

(1)レスピレーター管理※2 =10
(2)気管内挿管,気管切開 = 8
(3)鼻咽頭エアウェイ = 5
(4)O2吸入又は SpO290%以下の状態が 10%以上 = 5
(5)1 回/時間以上の頻回の吸引 = 8 、 6 回/日以上の頻回の吸引 = 3
(6)ネブライザー 6 回/日以上または継続使用 = 3
(7)IVH =10
(8)経口摂取(全介助)※3 = 3 、 経管(経鼻・胃ろう含む)※3 = 5
(9)腸ろう・腸管栄養※3 = 8 、 持続注入ポンプ使用(腸ろう・腸管栄養時) = 3
(10)手術・服薬にても改善しない過緊張で、発汗による更衣と姿勢修正を 3 回/日以上 = 3
(11)継続する透析(腹膜灌流を含む) =10
(12)定期導尿(3 回/日以上)※4 = 5
(13)人工肛門 = 5
(14)体位交換 6 回/日以上 = 3

 

さて、超・準超重症児の判定スコアをお示ししたところで、もう一度超・準超重症児の定義を確認しておきましょう。

すなわち、、、

1の「運動機能が座位まで」という要件を満たした上で、かつ、

2 の判定スコアの合計が 25 点以上の場合が超重症児(者)

10 点以上 25 点未満である場合が準超重症児(者)

とされています。

※参考文献:『超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準

 

これで定義についてはバッチリですね!

それでは以下、超・準超重症児に関する研究/論考をご紹介した後、診療報酬改定の具体的内容へと移っていくことにします。

 

超・準重症児の医療機関利用率と家族の負担に関する研究

 

ここでは、ある研究報告書を参考として、超・準超重症児についてより深く考えていきたいと思います。

※2014年度 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 研究助成報告書『超重症児・準超重症児の医療利用状況と家族の身体的・精神的健康、社会的経済的影響について ~小児在宅医療を支える医療提供体制の課題に関して~』という公開文書を参考・引用しました

 

研究1:重症心身障害児における在宅医療継続状況の実態把握

 

茨城県の3病院において在宅療養生活を送る超重症児・準超重症児を対象に、どのくらい医療機関を利用しているかについて調査した研究です。

当該研究では92人を対象に研究を行った結果、対象児の45%が人工呼吸器、54%が気管切開、88%が経管栄養胃瘻等を実施しており、年々医療的ケアを実施している児が増えていることなどが分かりました。

この研究の「考察」としては、次のようなことが述べられています。

今後も増えてゆく超重症児・準超重症児の在宅療養生活を継続していくためには、病院中心の医療提供体制から、地域中心の医療提供体制への移行や、地域の医療資源の充実・連携が必要である。

※参考記事:「病床機能分化とはなにか? 医療提供体制の変化を簡単におさらい♪

 

なお、下図はNICU退院児における医療的ケアに関する資料です。ご参考まで。

超重症児、医療的ケア

[参考図]超重症児・準超重症児の医療的ケアに関する状態像

画像出典:厚生労働省『障害児支援について』(平成27年9月9日)

 

研究2:高度な医療的ケアをもつ障がい児のケアと家族の健康や社会生活との関連について

 

介護をしている家族はどのような健康や生活を受けているかについて調査した研究です。

この研究では、筑波大学附属病院に通院する超重症・準超重症児で、「研究1」で対象となった児の保護者に対し、介護に伴う健康や生活への負担に関して質問票調査を実施したものです。

本研究では41人から回答を得て、次のような結果が得られました。

  • ・毎日の介護にかかる時間は7時間(中央値)
  • ・主介護者の睡眠時間は5.5時間(中央値)
  • ・外来を受診するためには半数以上の超・準超重症児において2名以上の大人が必要
  • ・外来受診にかかる時間は240分(中央値)
  • ・61%の父親が、児の外来受診や入院のために過去1年間の間に仕事を休んだことがある
  • ・健康関連QOL(SF-8)を用いた結果、介護者の健康状況が同年代女性より低く、家族や友人との付き合いが妨げられる、という結果となった

 

また、本研究の「考察」としては次のようなことが述べられています。

頻回な医療機関利用がある超重症児・準超重症児ではん、受信には家族の人手と時間を要し、家族の仕事や健康状態にも影響を与えている状況が認められた。

高度な医療的ケアを必要とする超重症児・準超重症児の在宅医療生活を支援していく際には、家族の健康や社会生活への影響も考慮していくべきであり、家族全体が望むような生活を送れるように、サービスを取捨選択できる体制を整備していく必要がある

 

以上、2つの研究例の例示でした。

このように、具体的な研究結果をご紹介することで、大分とイメージが出来たのではないでしょうか。

特に、家族の問題などは、決して他人事では済まされる問題ではありません。

それでは、イメージがついたところで、診療報酬改定項目の内容に触れていきましょう!
▶ 次ページへ:「小児在宅医療に係る評価の推進」の概要とは??

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