重症心身障がい児に関する診療報酬
重症心身障がい児に関する診療報酬ですが、日本小児神経学会総会の報告では、下記のように示されています。
1996年からは「超重症児(者)加算」がつくようになり、入院1日あたり300点と設定された
今日の臨床サポートによると、現在は、6歳未満の場合が800点、6歳以上の場合が400点となっており、診療報酬上の加算算定が厚くなってきているようです。
ただし、「小児の診療報酬はまだまだ不足している」との意見もあるようです。
※参考記事:岩本ゆりさんインタビュー第1回
重症心身障がい児に関する課題
さて、重症心身障がい児に関する課題ですが、主に受け入れ先の少なさが問題となっています。
あすか山訪問看護ステーションの文献によると、
・東京都北区においては、受け入れ可能なステーションは15カ所中3カ所
・療育センターショートステイの受け入れが2か月待ち
・病院ショートステイの受け入れは3か月待ち
とされており、受け入れ先不足が大きな問題となっております。
また、重症心身障害児・者のショートステイ利用に関する報告書によると、
医療技術の発展により、重症心身障がい児の発生数が増加している
とされており、ますます受入れ先不足の問題が加速していくと思われます。
大阪府障がい者自立支援協議会の報告書でも、同じような課題が報告されています。
- 課題① 介護手当受給者アンケート調査では訪問看護の利用者が少ない
- ・障がい福祉サービスに訪問看護が含まれておらず、医療保険でのサービスとなるため、訪問看護利用料の負担が重いことが要因の1つとし て挙げら れる。
- ・このため、訪問看護利用料助成の拡充など訪問看護を利用しやすくする 制度の検討が必要である。
- 課題② 安心して地域生活を送るための地域医療の体制整備と基幹病院等の高度医療とのネ ットワークの構築
- ・医療的ケアが必要な重症心身障がい児者に対応可能な訪問看護師、訪問リハビリテーションスタッフが不足している。
- ・また、地域かかりつけ医(訪問診療 、往診も含む)も不足しているため、重症心身障がい児者に関わる医療スタッフの人材育成が必要である。
- ・緊急時の基幹病院等の受入れ体制が未整備であることから、重症心身障がい児者の地域生活を支えるためには、地域のかかりつけ医 と地域病院、基幹病院等の重層的な医療支援体制の構築が必要である。
このように、重症心身障がい児という切り口一つをとっても、他の課題とも密接につながっていることが分かります。
決して他人事ではいられないということを意識しておかねばなりません。
重症心身障がい児とは〜まとめ〜
以上が、重症心身障がい児についての整理になります。
重症心身障がい児の概要を把握していただけましたでしょうか?
今後、業務等で疑問が出てきたときには、ビーナースでざっと把握していただければ幸いです。
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