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在宅に活かすことが出来る「生活支援」の技術とは?
精神科から在宅に退院できるほど、嬉しいことはありません。
恵まれた環境と家族の支えは、精神科看護において大切なポイントにもなってきます。
再発防止に向けて再入院とならないよう、日常生活の支援を行っていくことが必要になってきます。
生活支援は普段の生活リズムを整えていくことが何より大切になってきます。
仕事でも毎日行うルーチン業務があるように、生活リズムも日々のルーチン業務を大切にしていきます。
生活リズムチェック表で毎日のルーチンを大切に
私が勤めている病院ではオリジナルの生活リズムチェック表を活用しています。
朝の起床、日中の活動性、食事の時間や排泄状況、入浴や洗髪、金銭管理や服薬管理、そして就寝に至るまで、毎日チェックをしていきます。
特別難しいものではありませんが、この生活リズムから精神症状の異変を察知することができるのです。
毎日行っていたルーチン業務に支障が出てくると、精神症状の出現を強く疑います。
これは健康な私たちにも同じことがいえますが、毎日何気に行っているルーチン業務ほど大切にしていくことが必要なのだと、我ながら痛感しています。
生活リズムのチェックを怠ると……
統合失調症には陽性症状と陰性症状がありますが、これとは別に清潔に無頓着になってくることも大きな特徴の一つです。
何日もお風呂に入らず、身なりも不衛生で異臭を漂い、外見上に大きな変化が出てきます。
しかし本人は全く無自覚で、同居している家族からの連絡で、症状が悪化していることが分かります。
ここで一つ注意したいことは、同居している家族は本人といつも一緒に生活していることから、精神症状にマヒしてしまう場合があるということです。
上記の例からも分かるように、初発症状を軽視していたあまり、症状の悪化をたどってしまうことが多いにあるのです。
病院で普段から行っているルーチン業務は本当に大切です。
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