現役看護師に伝えたいこと
――現在病棟で働く看護師さんに伝えたいことがあれば、お聞かせいただけますでしょうか?
伝えたいこと。。。難しいですね。
――そうですね・・・モヤモヤしている看護師さんに対して、自分の場合はこうすればモヤモヤが楽になったよといった部分をお教えいただければ。
一番大きいのは、「気づいた人がやれ!」という話ですね。
それでいいんじゃないかなと思います。
大抵の場合、モヤモヤしている原因は「行動しないこと」にあるように思います。
「こういう医療はおかしい」と思ったんだったら、おかしくない方向に動かす努力をすればいいし、「自分はこういう風にしたいんだ!」と思うんであれば、そうできるように動けばいい。
あるいは、「患者さんにこういうところで過ごしてほしいな」と思うんであればそれをやってみればいい。
やり方の問題はあるので、そこは工夫しながら上手くいくようにするしかないと思っています。
ただ、「やる」という選択をした結果として力尽きても、後悔はしないのではないかな、と。
冷たいように思うかもしれませんが、「モヤモヤしたままでも自分自身が壊れていっちゃうでしょ?」という話でもありますので、気づいたのにやらないということが大きいと思います。
加えて、提供者側にいる私たち看護師も「将来的には患者になる」という点は重要だと思います。
将来の自分は、今教えている後輩看護師たちやその後輩の看護学生たちの看護を受けます。
自分が将来受けたいなと思う医療や看護を、現役のうちに理想に近づけておくことができるわけです。
将来の自分が受けたい看護を今から作っていけるとしたらとても幸せなことです。
男性看護師であること
――最後にもう一つ。賢見さんは男性の看護師ですが、男性であることが良かったなあとか、あるいは良くなかったなあとか、特筆すべきことがあればぜひ教えていただきたいです。
「男性看護師であることにアイデンティティをもってない男性看護師」はみんな立派です。
――そうなんですね・・・!
逆に、男性看護師であることを気にしていないくらいの人は面白いことを考えていることが多いです。
自分の性別だけにアイデンティティを持つのは、まだ課題が明確でない方も少なくありません。
――アイドルみたいな感じですよね。
アイドルというか、本来のケアギバーとしての立ち位置が不安定な場合、矢印が自分に向いていることがあります。
これは男女関わらず陥りがちです。
僕の場合は、男性をウリにしたことはありませんが、矢印が自分に向いている経験は短くはなかったと思います。笑
僕が看護師になろうと思った時って、「男性看護師が物珍しく見られる」時期で、その時に心が折れなかった人たちは、マイナーな存在であることが障壁になってないんです。
男女問わず、ロールモデルを忘れ、自分がどう見られているかも忘れ、ライバル視するような人の存在も忘れ、ひたすら目標に向かっている姿はかっこいいですよ。
ただ、意外と人って成長するので、そういう時期もプロセスの1つかもしれません。僕もそういう風に見られているのかもしれません。笑
でも性別は関係ないと思うし、年齢も関係ない。
本当に年齢は関係ないですね。
まあ30までは相対的に関係あるようにも思いますが、30を過ぎれば、やってる人はちゃんとやってるし、考えている人は考えているという印象です。
――「考えている」男性看護師の方の今後のご活躍には、ますます期待がかかりますね!
そもそも業界をここまで広げてやってきた人たちの多くは女性なので、男性はまだまだ主食にはならないように思います。業界の「ふりかけ」ですかね。
しっかり味付けできることが期待されているかもしれません。笑
本当に(そうした考え方の看護師が)活躍できるようになればいいですし、そこまでの影響力が出てくるのが当たり前になるといいですよね。
自分も精進していきたいと思います。
【PR】
あなたも、新しいステージに上ってみませんか?
訪問看護への就職・転職にご興味がある方、
下記よりご登録で、いつでもご相談を受けられます!
この記事はいかがでしたか? ・週一回なら、まぁ見てもいいかな♪ といった方は是非ご登録をお願いします!!
下記リンクからの無料会員登録で、 メルマガ受け取り@毎週土曜日 診療報酬改定まとめ資料受け取り などが可能になります!! (もちろん、わずらわしい情報は一切お送りしませんよ♪)
|
☆関連お役立ち情報☆ |
☆おすすめのまとめ記事☆ |
・【看護師スキルアップ術まとめ20選】3種の看護スキルでQOLを最大化! |
★ここまでで分からない用語はありませんでしたか? そんな方は・・・
関連する記事
困りごととキーワードが合致していないことの怖さ【がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー2】
がんと暮らしを考える会・賢見卓也理事長インタビュー第2回です。第1回では、賢見さんがNPO法人で行っている「社会的苦痛」へのアプローチについて詳しく伺うことが出来ました。今回は賢見さんの「過去」を徐々に紐解いていく内容となっています。
【田村恵子京大教授インタビュー1】ホスピス先駆者のイマ語り ~京大教授と対話とヒトデ~
日本を代表するホスピスナース、京都大学大学院の田村恵子教授のインタビュー記事第1回です。約30年に渡る臨床経験を持ち、がん看護専門看護師の草分けとしてもご活躍された田村先生に、約3時間みっちりとお話を伺えました。まずは、現在のご活動内容からスタートです!!
【田村恵子京大教授インタビュー2】なぜ京大教授に? ~教授公募の裏側、田村恵子と現象学~
田村恵子先生のインタビュー第2回です。今回は、下記のような内容を収録しております。なぜ京大教授に就任されたのか?/なぜ「現象学」にご興味を持たれたのか?/田村先生の人生を変えた、全身が震えたある言葉とは? 実践者であり研究者でもある田村先生の含蓄溢れるお言葉の数々。 是非ご覧下さい!
【田村恵子京大教授インタビュー3】「看護」に対する表裏2つの疑問
今回は田村恵子先生の「過去」の部分を徐々に掘り下げていきます。ご自身が引っかかったことに対してつい正直に疑問を抱え、行動に移してしまう田村さんの「なんでグセ」は、「看護」を遠ざけるものであったとともに、「看護」に魅せられるきっかけでもあったのです。その全貌は、本稿で明らかになることでしょう。
【田村恵子京大教授インタビュー4】思い立ったら即行動、そして「ぶれない自分」へ
もともと看護師志望ではなかった田村さんですが、あるがん患者さんとの出会いをきっかけに看護にのめりこんでいったのでした。本稿では、ホスピス病棟勤務までの道のり、大学院修士課程へ飛び込む決断を促したきっかけなどを収録しています。