「超重症児」の登場。重症心身障碍児との違い、そして超重症児の現状と課題とは?

 

「医療技術の進歩」と聞いて、皆さんはどうお考えになりますか。

きっと多くの方は、「大切な命が救われる可能性が増えるのだから良いことだ。」とお考えになることでしょう。

ただ、医療技術の進歩によって新たな課題が生じたこともまた事実のひとつです。

今回は、医療技術の進歩により登場した「超重症児」について取り上げます。

超重症児の定義から始まり、重症心身障碍児との違い、超重症児の現状と課題へと丁寧に説明していきます!

 

「glandular fever」の画像検索結果

画像出典:cdn.doutissima.com.br

 

超重症児とは?

 

まず、超重症児とはそもそも何を指す言葉なのでしょうか。

ここでは、超重症児の定義超重症児と判定される基準について述べたいと思います。

 

超重症児の定義

 

超重症児とは、日本重症児福祉協会によれば以下のように定義されています。

 

  • 「超重症児」とは、従来の重症児と比較して、呼吸管理を中心とした継続的な濃厚医療、濃厚ケアを必要とし、モニタリングやこまかな観察を要し人手がかかる症状の子供を指す。
  • 「超重症児」は病状が急変しやすいなどにより、診療報酬上、入院費の加算が設定されています。
  • (「超重症児(者)入院診療加算」1 日 300 点、6歳未満 600 点)

では、超重症児として判定されるにはいったいどのような基準があるのでしょか。

超重症児として判定されるには次のような基準があります。

 

超重症児判定基準

 

  1. ①運動機能は座位まで。
  2. ②呼吸管理、食事機能、胃・ 食道逆流の有無、補足項目(体位変換、定期導尿、人工肛門など)の各々の項目のスコアの合計が 25 点以上であること。
  3. ③その状態が6カ月以上続

 

上記の3つの条件を全て満たす場合、超重症児 と判定します。

(「超重症児(者)入院診療加算」1 日 300 点、6歳未満 600 点)

 

なお、準超重症児とは、それに準じるもので 各々の項目のスコアが10 点以上~24点未満である場合を指します。

(準超重症 児(者)入院診療加算1日 100 点、6歳未満 200 点)。

 

超重症児、準超重症児と判定される基準となる判定スコアは次の画像を参照してみてください。

 

「超重症児、準超重症児の判定スコア」

画像出典:wam.go.jp

 

では、次に超重症児と似ているようで異なる「重症心身障碍児」とはいったい何かを見ていきましょう。

 

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