アルツハイマー型認知症
この病気、ご存知でしょうか?
日常会話でアルツハイマーと言われているもの、それがアルツハイマー型認知症です。
このアルツハイマー型認知症は、読んで字の如く認知症の一種です。
(今回は説明を割愛させて頂きますが、認知症にはその病状や原因からいくつかの種類があります)
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この病気は患者当人は勿論ですが、周りの方々にも多大な負担がかかります。
本記事ではまずこのアルツハイマー型認知症に関する基礎的な知識をご説明します。
その上で、近年注目を集めている「訪問看護」における、アルツハイマー型認知症の実態についてご紹介させて頂きます。
『アルツハイマー型認知症の基礎知識と訪問看護』の目次
第1回:アルツハイマー型認知症とは
第1回は「アルツハイマー型認知症とはなんぞや?」というところについてご説明します。
アルツハイマー型認知症とは
アルツハイマー型認知症は、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われる病気です。
進行したら元に戻ることができない脳疾患です。
ほとんどは60歳以降に初めて症状が現れる為、高齢者における認知症の最たる疾患となっています。
一風変わった名前の由来はアロイス・アルツハイマー博士の名前にちなんで命名されています。
博士は患者の脳を調べ、多数の異常な凝集体(アミロイド斑もしくは老人斑という)と、線維のもつれ(神経原線維変化)を発見しました。
画像出典:healthil.jp
*アルツハイマー病とはアルツハイマー型認知症の略称
アルツハイマー型認知症による脳の変化
アルツハイマー型認知症がどのように始まるのかは、まだわかっていません。
しかし、脳の障害は、症状が出現する10年以上も前に始まっているとみられます。
症状のない、発症前の段階においても、脳の中では害のある変化が起こっています。
蛋白の異常な沈着により、脳のいたるところに老人斑とタウ蛋白からなる神経原線維変化が生じます。
それにより、もともとは健康であった神経細胞が、効率よく機能しなくなってきます。
時間の経過とともに、神経細胞は、相互に機能して連絡し合う能力を失い、最終的には死滅します。
*βアミロイド:アミロイド班のこと
やがて病変は、脳内で記憶を形成するのに必要不可欠な、海馬と呼ばれる構造体に広がります。
ニューロンがさらに死滅するにつれて、影響を受けた脳領域は萎縮し始めます。
アルツハイマー型認知症の後期までに障害は広範囲に及び、脳組織は著しく萎縮します。
画像出典:sodan.e-65.net
アルツハイマー型認知症型患者の余命
アルツハイマー型認知症と診断されてから死亡するまでの期間は様々です。
診断時に患者が80歳を超えている場合、その期間はわずか3、4年であり、80歳以下の場合は10年以上にもなります。
日本におけるアルツハイマー型認知症
厚生労働省によると、平成20年時点で認知症の総患者数のうち、アルツハイマー型認知症の割合が「67.7%」(20.7万人)となっています。
認知症患者におけるアルツハイマー型認知症患者の割合は、3 年前の調査から約8%増加しており、認知症における第一の原因疾患として年々患者数が増加しています。
画像出典:mhlw.go.jp
図からわかるとおり、以前は血管性及び詳細不明の認知症が代表的な原因疾患でした。
しかし、これは診断精度の向上や、生活習慣病の予防や治療の発展によって患者数の上昇は緩やかになりました。
しかし、アルツハイマー型は現時点で予防法や根本的な治療法がなく、高齢になるほど発症割合は上昇するため、高齢化が進むにつれ患者数は増加しています。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「アルツハイマー型認知症とは?」ということで
その病状と進行、日本における患者数についてご説明しました。
次回はアルツハイマー型認知症の原因と診断方法についてご紹介します。
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