『看護師と訪問看護師のイロハ』 第3回:業務②(具体例編)


 

看護師と訪問看護師のイロハ』の第3回は、第2回に続いて「業務」の違いについてご説明します。

今回は、やや抽象的に違いを論じた2回目とは異なり、具体的な業務をなるべく網羅する形でお示しします。

特に、訪問看護師への転職をお考えの方などは、具体的にどんな業務があるのかについて詳しく知ることが出来る記事かと思います。

 

画像出典:akicomp.com

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本シリーズ『看護師と訪問看護師のイロハ』の目次

 

第1回 シリーズの手引き

第2回 訪問看護師と看護師の「業務」の違い①

第3回 訪問看護師と看護師の「業務」の違い②

第4回 訪問看護師と看護師の「目的」の違い

第5回 訪問看護師と看護師の「勤務態様(働き方)」の違い

第6回 訪問看護師と看護師の「勤務時間や形態」の違い

第7回 訪問看護師と看護師の「平均年齢」「平均年収」の違い

第8回 訪問看護師と看護師の「勤務地」の違い

第9回 訪問看護と看護の「ユーザー」の違い

第10回 まとめ ~「車の両輪」としての訪問看護師と看護師~

 

看護師と訪問看護師の定義の確認

 

まず、第2回の復習をしておきましょう。

第2回では、下記のような定義に基づき、違いを考えました。

 

  • 看護師の仕事:健康の回復を図る人々のお世話をする仕事
  • 訪問看護師の仕事:自宅訪問し、健康の回復を図る人々のお世話をする仕事

 

その結果、大別すると、「①協働する人」と「②看護対象者」の違いに応じて業務内容に違いが出てくることが分かりました。

すなわち、看護師は「分業体制の中で固定的な対応」が、訪問看護師は「一人で柔軟な対応」が基本的には求められるということです。

→詳しくは第2回の記事へ!

 

では、これらをさらに具体的に見ていったときに、「どのような違いがあるの?」という疑問に答えるのが、この第3回の役割となります。

以下、そちらを見ていきましょう!

 

看護師の具体的な業務

 

まず、看護師の具体的な業務からご説明します。

ですが、これを述べるにあたってすごく重要なことがあります。

それは、(厳密に言うと)「看護師の業務は明確に定まっていない」ということ。

以下、理由を含めてご説明します。
(※看護師の方は、簡単な復習だと懐かしみながらお付き合いください!)

 

画像出典:faviola.net

 

保健師助産師看護師法が業務を非定型なものに

 

保健師助産師看護師法5条

 

保健師助産師看護師法5条には、看護師とは、

「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する『療養上の世話』又は『診療の補助』を行うことを業とする者」

と銘記されています。

 

この中で最も重要なのが、「療養上の世話」と「診療の補助」の区別になります。

結論としては、これらの区別はあいまいなままで、決着は付いておりません。

 

 

療養上の世話」とは、看護師さんが自由な裁量を持って出来る業務になります。

一方、「診療の補助」とは、本来は医者の権限内にあるものの、「医者の指示に基づいて」という条件付きで許される業務のことです。
たとえば、点滴や採血などがイメージしやすい例でしょう。

 

保健師助産師看護師法37条

 

なお、保健師助産師看護師法の37条では、

主治の医師又は歯科医師の指示があった場合を除くほか、診療器械を使用し、医薬品を授与し、医薬品についての指示をし、その他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上、危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない(臨時の応急の手当てを例外的に許容)。

と書かれていますが、これは「診療の補助は、医者の指示なしではしてはいけませんよ」ということを述べる禁止規定になります。

 

このように、法文上の区別はしっかりしているのですが、実際に2つの行為の区別をするのは非常に難しいのです。

たとえば、
看護師の判断にて行える「療養上の世話」でも、術後の安静が指示されている場合には、医師の判断なしには清潔ケアを行うことはできず、
また経過観察についても患者さんの病状に応じて必要な所見を把握しようとすることは、「医師の診断の領域」に含まれる可能性があります。

 

またこの他、病院によってこれらの区別(の基準)が異なることもあります。

たとえば、病院の中でも一部の看護師さんだけが慣習的に許されている補助業務があるなんてことは、区別の難しさを物語っています。

 

以上、法文で決められた「固定的な対応」を行う看護師の業務であるとはいえ、

医者の指示をあおぐ、結果を細かく報告するなど、「チーム」での作業が求められるのも、看護師業務の特徴だと言えるでしょう。

(参考:がんばれナース!

 

看護師の一日の具体的な業務:11例

 

さて、ここからはある看護師さんの一日のお仕事を参考に、具体的な仕事を11個に分けてご紹介します。

 

<ある看護師の一日の業務11例>

1 カンファレンス(申し送り)
2 ミーティング(チームで話し合い)
3 患者さんの経過診察
4 医師への報告
5 血圧・体温・脈などの測定
6 全員清拭
7 食事介助
8 入浴介助
9 患者さんの移送や誘導
10 ナースコール対応
11 夜勤担当の看護師への引き継ぎ

 

このように列挙してみると、上記だけでも相当な業務量だということがわかりますよね。

ただし、もちろんお仕事はこれだけではありません。

たとえば、「患者さんの経過診察」の際にはコミュニケーションをとることも仕事のうちです。

この点、よくよく考えれば、上記の業務すべてに「ヒト」が密接に関わっているということも分かります。

看護師とは、精神的にも肉体的にもハードな職業なのです。

(参考:日本と愉快な仲間たち
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