【体験談】訪問看護指示書の依頼方法のポイントをお教えします!

 

訪問看護は、訪問看護指示書(正式には訪問看護指示書、在宅患者訪問点滴注射指示書ですが、以下訪問看護指示書と記載します)のもと、患者(利用者)様のお宅へ訪問し、看護サービスを提供するものです。

つまり、訪問看護をするには、訪問看護指示書がないことにはサービスを開始することができません。

今回体験談を執筆頂いたYさんは、4年間北海道の某病院の病棟勤務を経験した後、結婚を機に上京し、ゆったりと仕事をしたいと思い、訪問看護の道を選ばれました。

病棟の経験はありましたが、元勤務していた病院には訪問看護ステーションはなく、訪問看護のことはさっぱりわかりませんでしたので、訪問看護ステーションに勤務しながら、訪問看護師養成講座に半年間通い、受講修了証をいただきました。

今回は、これまでの経験をふまえつつ、訪問看護指示書についての依頼方法のポイントについてお伝えしていきたいと思います。

 

「visiting nurse」の画像検索結果

画像出典:poconohealthsystem.org

 

訪問看護指示書とは?

 

先述しました通り、訪問看護サービスを提供するには、訪問看護指示書というものが必要です。

医療保険、介護保険のどちらの場合でも訪問看護指示書を主治医に記載してもらい、その指示書のもと、サービスを提供します。

医療保険、介護保険のそれぞれの適応疾患は異なります。

訪問看護指示書の内容は、

  • ●指示書の有効期間
  • ●患者様の氏名
  • ●生年月日
  • ●主たる傷病名3つ、
  • ●投与中の薬剤
  • ●日常生活自立度
  • ●要介護度
  • ●褥瘡の深さ
  • ●装着・使用医療器具
  • ●留意事項及び指示事項(療養生活指導上の留意事項、リハビリテーション、褥瘡の処置等、装着・使用医療機器等の操作援助・管理、その他)
  • ●在宅患者訪問点滴注射に関する指示
  • ●緊急時の連絡先
  • ●不在時の対処法
  • ●特記すべき事項
  • ●他の訪問看護ステーションの指示
  • ●たんの吸引等実施のための訪問介護事業所への指示
  • ●指示を出した病院の詳細
  • ●医師氏名

などが記載されています。

 

「Directions visitingnurse」の画像検索結果

画像出典:poconohealthsystem.org

 

訪問看護指示書と特別訪問看護指示書の違いって何?

 

介護保険での訪問看護サービスの提供は週2回、医療保険での訪問看護サービスの提供は週3回が限度です。

しかし、急に病状が悪くなったり、終末期、退院直後など、頻回な訪問が必要と主治医が認める場合に限り、特別訪問看護指示書のもと、週4回以上の訪問が可能となります。

ただし、特別訪問看護指示書は1ヶ月に1度しか交付できず、医師の診察を受けた日から14日以内が有効となります。

気管カニューレを使用している、もしくは真皮を超える褥瘡のある対象者の場合に限り、1ヶ月に2回交付を受けることが可能です。

これらは公的保険を利用しての場合ですので、もし自費の場合は特別訪問看護指示書がなくても、週2回もしくは週3回の制限とは関係なく訪問することもできます(自費の場合は各訪問看護ステーションにより対応は異なるかと思います)。

 

訪問看護指示書の依頼は誰がする?

 

私が所属している訪問看護ステーションでは、介護保険の場合は、初回訪問時はケアマネージャーから主治医に訪問看護指示書の発行を依頼し交付を受けますが、次回以降は訪問看護サービスの提供を継続する場合、指示書の依頼は訪問看護師(もしくは訪問看護ステーションの事務)が行います。

 

「Directions visitingnurse」の画像検索結果

画像出典:genesishealth.com

 

訪問看護指示書の有効期限に注意!

 

訪問看護指示書には有効期限が記載されています。

訪問看護指示書は最大6ヶ月までです。

特別訪問看護指示書については、14日です。

これらの期間をすぎて訪問していると保険請求ができませんので、注意してください。

 

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