本記事の目次
気管カニューレの交換頻度とは
1ヵ月に1回交換をします。
医療行為になるので、訪問診療の際に主治医が行うことがほとんどです。
経験上のことですが、神経系の難病の患者さんで呼吸状態に問題はなく、痰が多く気管切開されたケースで、金属製の気管カニューレを使用したのですが、その際には毎週、家族が交換をしておられました。
気管カニューレの日常的な管理(家族への指導)のポイントとは
気管切開部のケア
炎症や出血、肉芽の程度の観察を常に行います。
異常時の状態や処置方法を説明します。
内筒の管理
内筒の外し方、洗浄の方法、内筒の挿入の方法を指導します。
気管カニューレの固定に使用する綿テープや固定ベルトの説明を行います。
経験上、綿テープはスキントラブルを起こす可能性があるので、固定ベルトを使用していました。
固定ベルトは簡単に作れるので、マジックテープをつけ、素材も皮膚優しいガーゼやタオル生地で作っていました。
内筒の洗浄は洗浄用ブラシやガーゼなどを使用し、流水で洗い流し、洗浄した内筒は薬液で消毒し、滅菌生理食塩水や滅菌蒸留水で洗い流します。
洗浄用ブラシは医療用の物でなくても、100円均一で購入できる物でも十分対応できます。
カフ圧の管理
カフ付の気管カニューレを使用している場合は、カフ圧の管理が必要です。
介護者が1日1回確認しなければなりません。
注射器5~7mlまたは手で軽く押して確認します。
耳たぶくらいの硬さです。訪問看護師が訪問時にも確認します。
口腔ケア
薬液を使用して行います。
イソジンガーグルなどを使用することが主流ですが、イソジンガーグルなどは口腔ケア後の後味が悪いので、市販のマウスウォッシュを使用していました。
方法としては、頭部を挙上し、側臥位で吸引がすぐにできる状態で行います。
麻痺がある場合は、麻痺側を上にして行います。
入浴
気管切開部がぬれないように注意します。
どのようにすれば良いのか、家族など入浴介助をされる方と確認しておくことが必要です。
コミュニケーションについて
声を出すことができない場合は、筆談などでコミュニケーションを取ります。
今ではパソコンに文字を入れれば、音声として聞けるコミュニケーションツールもあります。
気管カニューレとは 〜まとめ〜
気管カニューレを必要とする患者さんにとって、家族の介護力が重要になってきます。
患者さんの状況や家族の理解力に応じて、訪問回数をふやしたり、電話での相談や指導、緊急時に訪問するなど、介護状況の把握が重要です。
利用者さんQOL向上のためにもこの機会に是非整理してみてくださいね♪
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