看護師として働いていると
- ●「自分は正しい看護ができているだろうか」
- ●「自分は成長できているのだろうか」
- ●「後輩たちにいい姿を見せられているだろうか」
など、様々な不安を抱くことがあると思います。
そんな時は、がむしゃらに新しいことに挑戦するのもいいですが、一度看護師としての基礎に立ち戻ってみませんか?
「木の長きを求むる者は必ず根本を固くす」
”大きな発展を願う者は、基礎をしっかり固めなければならない”という例えですが、看護においても同じことが言えます。
今回は「看護過程」「看護計画」「看護記録」「看護管理」の順番で、看護の基礎概念に立ち戻って、スキルアップを目指します。
看護における基礎概念〜看護過程編〜
看護過程ってどんなもの?
看護過程とは、学術的には下記の意味で使われています。
看護の知識や経験に基づいて患者の看護上の問題を明確にして計画的に看護を実施、評価するための系統的、組織的な活動
看護過程は、「アセスメント→診断→計画→実施→評価」というのが一連のサイクルになっていて、これらをぐるぐると巡らせて対象を診ていくこととなります。
一般的に言われるPDCAのようなものと捉えていただくのがわかりやすいかもしれませんね♪
看護過程とは日常業務そのものなのです
学生時代に必死になって紙面に起こしていた看護過程。
実は社会人になってからもこのプロセスは常に行っていると言えます。
例えば、患者が頭が痛いと訴えたとします。
[アセスメント]看護師であれば頭がなぜ痛いか、現病歴から頭が痛い原因を分析していきます。
[診断]次に、頭が痛い原因を整理していきます
[実施]そして頭が痛くなくなるには何をしてあげたらいいのかを考え、行動に移します
[評価]行動した結果、患者の頭痛はどうなっていったか自分の行いを振り返り、頭痛が治っていなければ次の手法を考えます
このように、看護師であれば実は日常業務の中で無意識にこのプロセスを行うことができているのです。
看護過程は2人の理論を用いて展開しています
●ヴァージニア・ヘンダーソンと14の基本的欲求
看護の世界でナイチンゲールに続いて有名な看護師がヴァージニア・ヘンダーソンです。
彼女は、アメリカの看護師で様々な現場で活躍した後、この14の基本的欲求を生みました。
画像出典:blog.goo.ne.jp
※より詳しく知りたい方は、下記の文献を参照のこと
●マージョリー・ゴードンと11の機能的健康パターン
アメリカの看護博士であるマージョリーゴードンが展開している理論であるのが11の機能的健康パターン。
これは、患者の個性や持ちうる心身の健康状態を機能別に11に分類してアセスメントを展開するという理論となります。
11の機能的健康パターン | 項目 |
①健康知覚・健康管理 | 既往歴、現病歴、健康状態、病気への理解-喫煙・アルコール・薬物・アレルギーの有無 |
②栄養・代謝 | 身長、体重、BMI、体温の変動・悪寒、発汗の有無-嗜好・偏食・間食・食欲・食事制限の有無-爪・毛髪・皮膚・体液の状態と、感染の兆候 |
③排泄 | 排便の回数・性状・量、不快感や残便感の有無-排尿の回数・性状・量、不快感や残尿感の有無-ドレーンからの排液(量・性状・皮膚の状態) |
④活動・運動 | 呼吸、脈拍、血圧など、バイタルサインの正常確認歩行状況と姿勢、身体の障害・運動器系症状の有無セルフケア行動・移動動作など運動機能の正常確認 |
⑤睡眠・休息 | 睡眠時間・熟眠度、入眠障害・睡眠中断の有無健康時の休息の有無と休息の仕方 |
⑥認知・知覚 | 視力・聴力・味覚・嗅覚・触覚・知覚など感覚器の状態疼痛・掻痒感・眩暈・しびれの有無と程度意識レベル・言語能力・記憶力・理解力の状態 |
⑦自己認識・自己概念 | 表情・声・話し方、疾病や治療に対する想い・感情不安・絶望感・無力感の有無自己尊重、家庭や社会における役割遂行と自立 |
⑧役割・関係 | 家族の構成や家族に対する想い、キーパーソンの有無職業(学校)における内容・役割・満足度 |
⑨性・生殖 | 月経事情、生殖器の状態、妊娠・分娩回数性関係に対する問題の有無と満足度 |
⑩コーピング・ストレス耐性 | ストレス因子の有無、ストレス発散方法家族や友人など、身近な相談相手の有無 |
⑪価値・信念 | 宗教・宗教的習慣の有無とその内容家族のしきたり・習慣の有無とその内容 |
※より詳しく知りたい方は、下記の文献を参照のこと
看護過程についてもっと知りたい方は<こちらへ>
▶ 次ページへ:次は看護計画編です
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