在宅で療養する場合には、対象の方のかかりつけ医師や看護師、薬剤師、リハビリ職種、介護士やケアマネージャーなどのスタッフがチームとなって援助をしていくことになります。
近年は、住み慣れた我が家で最期を迎えたい、そんな希望をもつ人は少なくなく、終末期であっても在宅を希望する人もいます。
現在、そんな希望を叶えるための施設として、訪問看護ステーションの数が増加し続けていることをご存知でしょうか?
今回は訪問看護ステーションの開設に対して下記の4つのテーマについてまとめてみました!
- 1.訪問看護ステーションとは?
- 2.開設に必要なステップ(指定要件の取得、開設書類の作成と申請)
- 3.開設にかかる費用
- 4.訪問看護ステーション開設のリスク
訪問看護ステーションの開設に関する正しい知識を身につけていきましょう♪
出典元:revistaioana.ro
訪問看護ステーションとは?
訪問看護ステーションとは、自宅で療養する人に対して訪問看護を行う目的で運営される事業所です。
看護師・保健師・助産師・理学療法士などが所属し、医師や関係機関と連携して在宅ケアを行います。
出典元:mhlw.go.jp
訪問看護ステーションのサービス内容とは?
訪問看護ステーションでは次のようなサービスを提供しています。
- ・療養上のお世話
→身体の清拭、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助・指導 - ・医師の指示による医療処置
→かかりつけ医の指示に基づく医療処置
・病状の観察
→病気や障害の状態、血圧・体温・脈拍などのチェック - ・医療機器の管理
→在宅酸素、人工呼吸器などの管理
・ターミナルケア
→がん末期や終末期などでも、自宅で過ごせるよう適切なお手伝い - ・床ずれ予防・処置
→床ずれ防止の工夫や指導、床ずれの手当て
・在宅でのリハビリテーション
→拘縮予防や機能の回復、嚥下機能訓練等 - ・認知症ケア
→事故防止など、認知症介護の相談・工夫をアドバイス
・ご家族等への介護支援・相談
→介護方法の指導ほか、さまざまな相談対応 - ・介護予防
→低栄養や運動機能低下を防ぐアドバイス
このように、訪問看護ステーションは、病気や障害を持っている方に対して実に様々なサービスを提供しています。
訪問看護ステーション数の推移
少子高齢社会になるにつれて、訪問看護サービスの利用が増えています。
それにつれて、訪問看護ステーションの数もわずかながら増加していますが、しかし訪問看護事業所はまだ増え続ける余地はあるといえるのではないでしょうか。
出典元:mhlw.go.jp
訪問看護ステーションの現状
厚生労働省によれば、訪問看護ステーションの現状では以下のようであるようです。
- ① 小規模な事業所が多く、非効率さやスタッフの負担が課題となっている。
- ・事業所の規模が小さいほど収支の状況が悪い。
- ・小規模なステーションのほうが、24時間対応体制の届出有りの割合が低く、同様に 算定者の割合も小さい。
- ・訪問看護指示書を受けている医療機関数は平均26.8件、居宅サービス計画書を受 け取っている居宅介護支援事業所は平均17.3件と複数の医療機関や事業所と連携 している。
- ② 訪問看護を必要とする者は増加しており、そのニーズは多様化している。
- ・医療依存度の高い患者が増加している。
- ・難病、がん、小児の利用者が増加し、利用者のニーズは多様化している。
- ・訪問看護利用者数が多い都道府県では、在宅で死亡する者の割合が高い傾向が あり、訪問看護の担う役割は大きい。
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