
画像出典:uss.cl
症状緩和の評価について ~OASISとESASのご紹介~
アメリカのホームケアでは、OASIS(Outcome and Assessment Information Set)によってそのアウトカムを評価します。
サービス開始時、再認定時、サービス終了時の他にも、適宜患者さんの状態によっていつでも再評価する事ができ、その点数によって報酬も調整されるのです。
しかし、ホスピスの場合、殆どのケースが死亡によるサービス終了になるため、アウトカムは悪化する事が前提となり、OASISは長い間適応されませんでした。
ところが近年、ホスピスケアにおいてもそのアウトカムは評価されるべきであると再検討され、症状緩和を対象とした評価が行なわれるようになりました。
現在の所、OASISでは疼痛と呼吸困難の2項目を対象にしていますが、OASIS以外の評価基準も症状緩和の指標として使われています。
たとえば私の勤務するホスピスが使っている記録システムでは、ESAS(Edmonton System Assessment Scale)という評価表を使っています。
ESASでは、疼痛、呼吸困難、不安、睡眠状態、嘔気嘔吐、疲労感、抑うつ、眠気、食欲、元気(Feeling of Well being)、その他(うちのホスピスでは便秘を使っています)などを、10段階評価でチェックします。
これらは、疾患に関わらずホスピスの患者さん全般に見られる“不快な症状”であり、ホスピスケアが介入される事でどれだけコントロールされたかを、評価するわけです。
ESASは日々の訪問記録に組み込まれてあり、私の勤務するホスピスでは疼痛、呼吸困難、不安、嘔気嘔吐、便秘の5項目に絞って記録しています。
この評価は報酬に反映するわけではありませんが、看護経過を見直すには良いツールであり、不快症状を軽減する事は、そのまま患者さんのQOLの向上にも繋がるのです。
関連する記事
九州豪雨からBCP(事業継続計画)を考える その1
九州豪雨・山形豪雨と水害が続いていますが、気候変動によって今後も水害の被害が多発することが予想されます。 医療・介護施設で何を事前に考えなければならないのか、今一度考えてみましょう。
正しい体位変換の方法とは〜3つのシーンに分けてご紹介します〜
患者さんへの配慮と正しいケアを同時に必要とする体位変換のコツを、そのシーンごとにお伝えさせていただきます
看護師さん必見!患者さんから困った質問をされた時はこう答えましょう!
看護師経験者が、患者さんとの応対を何度も行う中で培った、困った質問に対して「使える」5つの台詞をご紹介します。
やけどを残さないための応急処置方法!いざというときに焦らないように身につけておきましょう!
日常生活の中で、家事やレジャーなど軽いやけどをする機会は意外とあるかと思います。ちょっとしたやけどでは、病院に行かず、自分で冷やしたりするだけで、後になってやけど跡が残り後悔することもあります。今回はやけどの跡が残らないようにする方法を5つご紹介致します!
認知症ケアにおける家族の悩みの種。〜在宅で実行できる食事を拒否された時の対処法をご紹介♪〜
今回は、認知症ケアの中でも、認知症患者に食事を拒否された時の対処法についてご紹介していきたいと思います♪