2.画像検査とは?
認知症の鑑別診断には「CT」や「MRI」などの画像検査も導入されてきます。
画像検査は脳の萎縮状態を評価するとともに、脳梗塞や脳出血などの器質的な病変をみるためにも有効になってきます。
また、検査設備が整っている病院では「脳血流SPECT」などの核医学的検査を行い、脳の血流を測定して脳の機能を評価していくこともあります。
1,形態画像検査「CT」と「MRI」
CT検査(コンピューター断層撮影法)は、X線を体の回りに当て得られた情報をコンピューターで識別していく検査になります。
CT検査は短時間で終わりますが、放射線の被曝があることが欠点となっています。
MRI検査(磁気共鳴画像)は、その名のとおり磁気を利用して行う検査です。
単に一方向だけではなく、さまざまな方向から診断が行えるので、CT検査よりもより詳しく画像をみることができます。
また、放射線の被曝がないため、安心して受けられる検査となります。
しかし、CT検査に比較すると、その所要時間は倍以上となり、検査費用も高額です。
磁気を使用して行うため、ペースメーカーがある方は対象外となります。
画像出典:philrutherford
2,機能画像検査「脳血流シンチグラフィティ(脳流血SPECT)」
上記の画像検査は脳の萎縮をみることはできても、脳の機能自体をみることはできません。
脳血流シンチグラフィは、放射性元素であるラジオアイソトープを使用して、脳内の血流が正常に働いているかを判定していく検査になります。
薬剤を体内に投与して、放出される放射線を画像化することによって、薬剤の分布を調べます。
なお、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)とは、シンチグラフィの断層撮影のことを意味しています。
検査自体に苦痛はなく、所要時間は30~40分ほどです。
使用する放射線も微量であるため、身体に影響することは滅多にありません。
3.認知症と混同しやすい疾患とは?
認知症を鑑別する上で、臨床では似たような疾患がいくつかあり、紛らわしいことが多々あります。
アルコールやせん妄、うつ病などによる症状は認知症と混同しやすく、これらの症状との鑑別もおのずと必要になってきます。
画像出典:images.wisegeek
認知症の検査の方法とは? 〜神経心理検査、画像検査をご紹介!〜 まとめ
最後にもう一度認知症の検査方法を書き上げてみたいと思います!
⑴神経心理検査
・MMSE
・改訂長谷川式簡易知能評価スケール
⑵画像検査
・形成画像検査ーCT検査、MRI検査
・機能画像検査ー脳血流シンチグラフィティ
認知症は早期の発見がとても重要です。
最近、なんか物忘れが多い、失くしものが多いことが続く時などは、まずはMMSEなどの簡易に受けることのできるテストを試してみてくださいね♪
参考出典
「エキスパートナース2016年7月号」 2016年6月20日 出版社:照林社
「認知症と生きる」 2015年3月20日 発行所:一般財団法人 放送大学教育振興会
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