その人らしい最期を迎えるための「在宅ホスピス」の現状:なぜ普及率が低いのか?

 

在宅ホスピスの現状とは? 〜在宅ホスピスの現状の数、費用、評価〜

 

在宅ホスピスの現状① 在宅ホスピスの需要は増加。ここ26年でその数、700倍。

 

在宅ホスピスの数は年々増加しています。

1990年に5施設、117床であった届出受理施設は、

2000年には88施設、1659床となっていました。

 

そして、在宅を含めたホスピスでも、2016年には378施設、7695床と需要は急増していることが以下のデータからわかります。

 

在宅ホスピスの現状と課題11.

 

 

在宅ホスピスの現状と課題12

 

参考文献:日本ホスピス緩和ケア協会

 

超高齢化社会となる今後の日本においてこの数は今後も増えていくと思われます。

また、人生の最期をどこでどう過ごすか、今まで以上に考えることが必要となっていくでしょう。

 

在宅ホスピスの現状② 在宅ホスピスにかかる費用は?

 

「人気があるのは知っているが、在宅ホスピスにはもの凄くお金がかかるではないか」

と思っていらっしゃる方もいることと思います。

ここでは具体的に在宅ホスピスを利用した時にかかる1か月の費用を見てみたいと思います。

 

以下はホームケアクリニック札幌において末期の大腸ガンと診断された76歳の男性をモデルにしたケースです。

 

在宅ホスピスの現状と課題9 費用.png

引用元:ホームケアクリニック札幌

 

上の表に書かれている費用のほかに、生活していくために必要な費用、つまり食費水道光熱費がかかります。

積極的な治療をしないため、通院するよりは割安ですが、家族のケアが必要不可欠になります。

 

▶ 次ページへ:在宅ホスピスの費用が低めに抑えられる要因とは??

 

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