「インフォームドコンセント」という言葉は、今や医療業界では当たり前に聞く言葉です。
インフォームドコンセントとは直訳すると「説明と同意」ということですが、その本質をしっかりと理解し、実践できていますか?
今回はインフォームドコンセントにおける看護師の役割とはどのようなものなのか、まとめてみたいと思います。
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インフォームドコンセントの本質
インフォームドコンセントは、患者自身が決める権利を有するという考え方に基づいております。
ですので、患者さんが納得、同意して治療を受けることを目的としております。
しかし最近は、インフォームドコンセントの目的を達成できていない状況があります。
患者さんから同意書にサインをもらわないと検査や治療ができないので、とりあえずやっているという状況に陥ってしまっています。
ですので、説明する患者さん一人一人に対して、本当に理解し、納得してもらえる説明ができているかどうかが微妙なところです。
患者さんにしてみても、「先生から説明を受けたし、そうするしかないんでしょ?」という曖昧な返事を聞いたこともあります。
自分自身の病状に対して、どのような検査をおこない、どのような治療をおこなうのかを決めるのは、患者さん自身です。
医師は検査や治療法を提案し、患者さんが納得すれば実施しますが、全ては患者さんの決定次第です。
その患者さんの決定する権利を守り、尊重することこそが、インフォームドコンセントの本質なのです。
このことは医療従事者だけでなく、患者さんにも今一度認識してもらう必要があるのではないかと感じます。
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では、実際に看護師はどのようにインフォームドコンセントと向き合えば良いのでしょうか。
大きく分けて二つありますので順にご説明します。
1. 医師と患者さんの架け橋的役割
担当医師が検査や治療の説明を行いますが、それを患者さんは本当に理解しているでしょうか?
特に年配の患者さんは、医師に言われたようにすれば大丈夫だろう、言われたようにするしかないという思いを持っており、十分に納得していなくてもついサインをしてしまう場合があります。
医師と患者さんの間にそれまでの経過や関わりで「信頼関係」ができており、医師に任せるんだという思いがあるのであれば良いです。
しかし、医師が言うから間違いない、言われるようにするしかないとサインしてしまうことは、インフォームドコンセントの本質からは逸脱してしまうのではないでしょうか?
また、医師に対して色々と質問できないという患者さんも多いです。
こんなことを聞いてもいいのかな?と不安になり、聞くことを躊躇すると言っていた方もいました。
説明する医師にとっても、患者さんにしっかりと理解、同意してもらい治療を受けてもらうことは患者さんとの信頼関係を構築するうえでも大切です。
そんな時こそ、私たち看護師が患者さんと医師との架け橋にならなければいけません。
もし、しっかりと説明を理解、納得できていないのであれば、看護師ができる範囲で説明を追加したり、医師にその状況を報告し、再度説明をしてもらうことも大切です。
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