経鼻経管栄養とは、経管栄養の中でも鼻からチューブを入れて経管栄養剤を流すことです。
何等かの事情で食事の摂れなくなった人に対し、特別な手術を要することなくできるものです。
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画像出典:wisegeek.org
経鼻経管栄養のメリット・デメリット
経管栄養は、大別すると経鼻経管栄養と胃瘻・腸瘻といった経瘻孔栄養の2つ。
胃瘻は胃に、腸瘻は腸に穴をあけ、直接栄養を届ける方法です。
胃瘻・腸瘻との比較も含め、経鼻経管栄養のメリットとデメリットを挙げてみましょう。
メリット
- ・その日、その時から始めることができる。
- ・手術の必要がなく、病室で挿入できる。
- ・不要になった場合、すぐにやめることができる。
デメリット
- ・装着時の不快感がある。
- ・鼻からチューブが出ているため、外観がよいとは言えない。
- ・テープで固定しているだけなので、事故・自己にて抜去するリスクが高い。
- ・過って気管に誤挿入された場合、肺に経管栄養剤が注入され、亡くなることもある。
- ・少しだけなら経口摂取できる人でも、チューブがあるため嚥下できなくなってしまう。
- ・チューブが細いため詰まりやすく、胃瘻よりも交換頻度が高い。
- ・チューブ固定のためのテープで、頬がかぶれやすい。
経鼻経管栄養の適応は?
上に挙げたメリット・デメリットからもおわかり頂ける通り、どうも経鼻は胃瘻よりもメリットが少ないようです。
一言で言ってしまえば、経鼻は簡便ですが長期に使用するものではない、ということなのです。
胃瘻や腸瘻も半年に1度ペースでの交換が必要になりますが、経鼻の場合は1か月程度で交換する必要がありますし、いつ抜けるかもわかりません。
経鼻はとくにバルーンで固定しているわけではないので、今朝しっかり入っていたチューブも、昼の注入時には抜けかけていた・・・ということもあるのです。
それに気づかずに注入してしまった場合、経管栄養は気管に流れ込み、重篤な状態になってしまいます。
一方で、やはり胃瘻や腸瘻と違い、体に傷もつかず、特別な手技や道具も要らない経鼻は、やろうと思えばその日、その時、その場(病室)で行うことが可能なので、全く無駄なものではないのです。
画像出典:youtube
経鼻経管栄養とは まとめ
経鼻経管栄養と胃瘻・腸瘻、どちらがいいというものではありません。
医療も介護も、限られた資源とマンパワーの中で行う必要があります。
特別な装具や処置を必要としない経鼻経管栄養は、内科医でも外科医でもできる処置ですから、非常に便利です。
要は使い分け、というところでしょう。
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