看護における基礎概念〜看護計画編〜
看護計画ってどんなもの?
看護計画とは、簡潔に言えば、文字通り「看護師が業務を行う上で作る計画書」です。
その人の状態に合わせてどのような看護を展開するのか、目標を長期と短期で立てて、看護を計画していきます。
長くても1週間ほどで評価修正を繰り返し、退院までその計画書を基準として看護を展開していきます。
なぜ看護計画を立てるのか
【看護計画を立てる理由】その1.患者をしっかりと観察するため
患者を観察するとき、病名が分かっていても患者それぞれに個性があります。
そのため、みんなが一貫して同じ項目を観察できるよう、その観察項目を示唆するためにも看護計画を立てる必要があります。
これによってみんなが同じ目線で患者を観察することができます。
【看護計画を立てる理由】その2.看護の実践面を共有する
2つ目は看護を実践するうえで、その情報や方法を共有することにあります。
看護計画は看護師だけでなく、患者にも提出しサインをもらうため、患者の目にも触れます。
自分に対する看護はどのようなものか、患者、看護師、看護師間で共有をしていくことでより良い看護実践が行えると感じています。
画像出典:minoritynurse.com
看護計画の書き方のポイント
●看護計画の基本形とは
まずは、看護計画の基本から。
看護計画には長期目標と短期目標があります。
長期目標は大体退院まで、もしくは退院後を見据えて計画するもので、短期目標は長期目標に向かって立てるもので、短期目標を全てクリアすれば長期目標がクリアできるというようにつながります。
計画は、観察項目(O—P)、ケア項目(T-P)、指導項目(E—P)に区別され、それぞれがリンクするように作っていきます。
また、評価日を設定しているため、その評価日に達成できるような目標、項目設定をしておくといいかと思います。
●看護計画を立てる時のポイントは?
それでは、看護計画を立てる上でのポイントを実践経験を踏まえたうえで考えていきたいと思います。
まず、注意しておきたいポイントが患者中心に考えることです。
計画を作っているとどうしても看護師の理想をあれこれと詰めてしまい、患者が達成し辛い目標を立てている看護師を非常に多く見ます。
患者に見せた時に一緒に頑張ろうと思ってもらえるような目標をたてましょう。
また、項目別の計画は5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、どうする、どのように)というところを盛り込んで立案し、だれが見ても、どのようにケアをしていけば良いのか分かるように作っていきましょう。
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