ホスピスの種類とは
ホスピスの種類についてご説明します。
ホスピスは、下記の5種類に分けることが出来ます。(参照:ホスピスネット)
- 1.病院内病棟型:一般病院の一部の病棟をホスピスに利用するもの。これは、一般には「PCU(palliative care unit)」と呼ばれています。
- 2.病院内独立型:一般病院の同一の敷地内に存在しながら、一般病棟とは独立したホスピスとしての建物をもつもの
- 3.病院内緩和ケアチーム:病院内に緩和医療を行うための専門家を用意しているもの
- 4.在宅ホスピス:入院施設を持たず(あっても短期入院のみ)、在宅ケアを主としたホスピス・ケアを行うもの
- 5.完全独立型:終末期医療・緩和治療を行う施設。緩和医療以外の積極的な治療を行わない
ホスピスの業務内容とは
ホスピスの業務内容として大きく分けて3つの仕事が求められています。
- 1.患者さんの身体的ケア
- 2.患者さん、家族の精神的ケア
- 3.他業種との連携
1.患者さんの身体的ケア
ホスピスではまったく医療行為が行われないように思われているかもしれませんが、そうではありません。
いわゆる延命治療が一般的に行われることはありませんが、痛みのコントロール( 疼痛緩和)や、吐き気・嘔吐、呼吸困難など諸症状の緩和を中心とした医療行為はむしろ積極的に行われます。
とくに、わが国のホスピスは、欧米のホスピスと違って、がんに対する治療行為を全面的に放棄しないことがしばしばあります。
また、ホスピスでは、痛みのコントロールなどで患者さんが食欲や元気をとりもどし、自分で歩けるようになるケースもまれではありません。
最期の時を迎えるまでのQOLを向上させる為の身体的なケアを行います。
2.患者さん、家族の精神的ケア
ホスピスは余命の短いとされた患者さんが入院してきます。
ホスピスナースは、患者さん、そのご家族の人生の中で、最も辛く苦しい時に、その人達のとても個人的な部分に関わる仕事です。
残された余生を受け入れ、如何に満足いく時間を過ごすことができるのかをサポートすることも重要な仕事です。
3.他業種との連携
ホスピスでは医師・看護師・薬剤師・心理カウンセラー・作業療法士など様々な専門スキルを持つメンバーで患者さんのケアを行います。
様々のメンバーで情報共有を行いその患者さん、ご家族に合ったケアを行なうことが大切になります。
▶ 次ページへ:ホスピスナースのやりがいとは??
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