ポリファーマシーって何? 〜薬剤師の見地から解説します〜

 

薬の飲み過ぎによる有害事象は以前から医療の現場で問題視されていますが、ポリファーマシーという言葉を耳にするようになったのは比較的最近のことのように思います

今回は、薬局に勤める薬剤師が「ポリファーマシーとは何か」を解説していきます

ぜひ普段のお仕事に役立ててくださいね♪

 

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画像出典:i1.wp.com

 

用語解説:ポリファーマシー = ポリ + ファーマシー

 

ポリはポリエステルやポリエチレンなどでよく耳にする言葉です。

いくつも連なったものをポリ○○と呼んでいます。

ここでは「たくさんの」という解釈でよろしいかと思います。

 

ファーマシーは直訳すると薬局という意味ですが、ここでは簡単に「薬」と思っていただければ結構です。

 

つまりポリファーマシーとは「たくさんの薬」という意味です

薬剤師の間では「多剤併用」と一般的に言います

明確な定義はありませんので、どのようなものかがわかっていればそれで大丈夫です。

 

画像出典:riaami.ru

 

ポリファーマシーって:薬剤師の考えはネガティブなものが多い?

 

一般的には概ねネガティブな意味合いで使われる

 

ポリファーマシーは基本的にネガティブな意味で使われます

薬の組み合わせは併用、たくさん組み合わさると多剤併用。

多剤併用が全て悪いわけではありません、良い薬の併用はいくらでもあります。

しかし時には患者さんの病気を改善するために使われるはずの薬も、いろいろ重なると逆に悪影響を及ぼす事があります。

また同じ系統の薬が複数使用されている様な場合もあります。

こういう患者さんにとって良くない多剤併用を主にポリファーマシーと呼んでいます

しかし実際の現場でポリファーマシーという単語は滅多に使わず、概念としてあるだけです。

では普段はポリファーマシーのことを何と呼ぶのでしょうか?

「飲みすぎ」、「薬漬け」と言うことが多いです。

 

薬局では頻繁に遭遇する「ポリファーマシー」

 

薬局で調剤をしていると毎日、たくさんの薬名が書かれた処方箋を目にします。

その時に薬剤師同士でこの様な会話をする事があります。

 

「この患者さんの処方重っ!薬多すぎですよね、この薬はいらないんじゃないかなぁ、よそでも同系統飲んでるし…薬漬けですね。」

「そうだね、自分だったらこんなに飲みたくないなあ。」

 

薬局内では重たい処方(多剤処方のことです)やたくさんの薬が書いてあるお薬手帳を見ると、この様な会話が日常的にされています。

患者さんには申し訳ないのですが、薬漬けというのはよく耳にする言葉です。

「薬でお腹がいっぱいになる」と自虐的に言う患者さんもいます。

特に内科系のドクターはたくさんの薬を処方する傾向にあります。

逆に外科系のドクターは必要最低限しか処方しない事が多いです。

薬を減らしたければ外科系のドクターに相談すると上手くいく事が多いです、実際に成功例を何度か聞いた事があります

また複数の病院に通院している場合は、知らず知らずのうちにポリファーマシーになっているケースがあります。

A医院で1剤、B医院で2剤、C病院で3剤、結局いつの間にか計6剤という感じです

このパターンは気が付きにくい為潜在患者はかなり多いと思われます。
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