タクティールケアによる工夫その3:「物盗られ妄想」への対処
お財布を盗まれたといって騒いでしまう物盗られ妄想も、認知症の患者様には非常に多くみられます。
そして疑われるのはなぜか、身近にいる家族。
身に覚えのない疑いをかけられる家族は実に不本意ですよね。
しかし、ここで反論してしまうと、その刺激に拍車をかけて余計にエスカレートしてしまいます。
私もこの物盗られ妄想に何度も遭遇しています。
立場は違いますが、私は看護師として患者様と一緒にこの妄想に忍耐強く関わったことがあります。
また、病棟中の捜索活動がスタートし、無くしたお財布捜しにじっくりとお付き合いしたことがあります。
そして、ここで仮に看護師である私が見つけてしまうと、それは逆効果となってしまいます。。。
認知症病棟で働く看護師は、患者様本人が無くしたお財布を自分で見つけられるように、上手に誘導していきます。
それは物盗られ妄想のある方は、人一倍疑い深くなっているからです。
この点に注意して患者さん自身で見つけられるように誘導し、見つかった際には一緒に喜び、本人の自尊心にアプローチすることが大切となります。
タクティールケアによる工夫その4:排泄による羞恥心を和らげる
トイレを意味なく汚してしまう方、トイレ以外で用を足してしまう方に一方的に叱っても、事態はまったく変わりません。
排泄行為は少なからず羞恥心があります。
そんなときには、プライドを尊重し、さりげなく手を差し伸べていくことが大切です。
また、患者様本人のトイレ周期に合わせて、排泄コントロール表を導入してくことも効果的です。
状況によってはオムツの使用もありますが、安易にオムツを使うことで寝たきりになってしまう場合もあります。
オムツは最終手段であることを覚えておきましょう!
タクティールケアによる認知症看護の工夫4選 まとめ
私の実践目標であるタクティールケアはまだまだ修行中です。
認知症治療病棟に配属されてから、私はタクティールケアが大好きになりました。
そんなタクティールケアを通して患者様の笑顔を引き出していきたいと、そう思いながら認知症の看護をしています。
看護師の皆さんもぜひ、この機にタクティールケアを意識してみてはどうでしょうか?
参考出典
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