訪問看護師の勤務時間や形態について
次に、訪問看護師の勤務時間と形態についてお示しします。
看護師とどういった違いがあるのでしょうか?
訪問看護師の勤務時間
訪問看護師の勤務時間で、最も一般的な特徴としては、下記4つが挙げられます。
- ほぼ日勤のみ
- 土日は休み
- 訪問は1日あたり、4、5軒(件)のことが多い
- 1件あたりのケアは60分が基本
ここから分かるように、訪問看護には基本的には体に負担の大きい夜勤はありません。
また、急な呼び出しや残業もほとんどないでしょう。
ただし、24時間体制をとっていたり、月に数日の「自宅待機」にして、急な呼び出しに備えるようなしているなど、例外はあります。
これは事前にわかることですから、応募の際にしっかりとチェックしておくとよいでしょう。
(参考:白十字訪問看護ステーション資料)
訪問看護師の勤務形態
平成24年6月~平成24年7月に東京都福祉保健局が行った「訪問看護の人材確保・定着に関する調査」には、実際に働いている訪問看護師の方のアンケート結果が記載されています。
そこでは、次のような結果となっています。
<常勤・非常勤のメリット・デメリット>
- 常勤のメリット:「安定性・将来性がある」が 45.7%と最も多い
- 常勤のデメリット:「夜間の拘束(携帯当番等)が負担である」が 46.9%と最も多い
- 非常勤のメリット:「家庭との両立がしやすい」が 69.0%と最も多い
- 非常勤のデメリット:「安定性・将来性がない」が 35.5%と最も多い
ただし!
ここが重要で、非常勤従業者の常勤の希望の有無は、「希望する」が 11.2%、「希望しない」が 87.2%となっているのです。
非常勤従業者の常勤を希望しない理由は、
「非常勤だと家庭生活との両立がしやすい」が 62.3%と最も多く、次いで「非常勤だと自分の都合のよい日・時間に働ける」が 43.2%、「非常勤だと夜間の拘束(携帯当番等)の負担が軽い」が 30.8%となっています。
訪問看護の勤務形態においては、非常勤を継続的に希望する方が非常に多いことが分かります。
今回、常勤と非常勤全体の正確な割合を示す資料が見つからなかったため、数字で出すことは控えますが、訪問看護師の方が看護師に比べて非常勤の割合が多いことは確かです。
この事実(非常勤継続希望者が多いこと)をどのように捉えるかは、議論の的となるところでしょう。
まとめ ~自分に適した職場を選べる環境作りが急務~
以上、看護師と訪問看護師の勤務時間および勤務形態について述べてきましたが、いかがでしたでしょうか?
上記内容から言えることは、「各家庭の状況に合わせた就業が可能な職場環境の整備」に尽きるかと思います。
たとえば、夜勤は看護師にとって必要不可欠なことですが、看護師が続々と倒れていくような仕組みはまったく望ましいとは言えません。
これは、24時間体制の訪問看護ステーションでも言えることでしょう。
当たり前のように病院があり、当たり前のように看護が受けられる日本だからこそ、これらの事実は真摯に考え直す必要があると思われます。
→次回は、平均年齢・平均年収について見ていきます。
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