平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、
在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取りに関する制度改定が多数行われました。
これは、「在宅」領域が医療・看護・介護業界に関わる方々”すべて”に少なくない影響を与えるものと思われます。
しかし、webサイトでは、政府資料のペーストがされているのみで、情報が整理されているとは言い難いのが実情。
そこで、ビーナースが他サイトに先駆け、「在宅」にかかわる診療報酬改定項目を順次見やすい形に整理していきます。
今回は、中でも「訪問看護」に関わる改定項目(「機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し」)を、用語解説を含めてご説明します。
※公式資料はこちら(本記事に関連するのはp133-135)
画像出典:kaigo-kyuujin.com
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「機能強化型訪問看護ステーション」とは?
まず、「機能強化型訪問看護ステーションとはなにか」という点をご説明します。
「機能強化型訪問看護ステーション」には、2種類あります。
1.常勤看護師7人以上などより厳しい基準を満たす「機能強化型1」
(月の初日訪問では1万2400円の療養費を算定できる)
2.常勤看護師5人以上などの基準を満たす「機能強化型2」
(同9400円)
※なお、「通常型」は7400円の療養費
つまり、人員配置を手厚くすることが機能強化型の認定の必須条件となります。(引用元)
※本記事で扱う診療報酬改定は、こちらの「要件」を見直すものであるため、細かな要件は後述します
※下記画像が、「機能強化型訪問看護ステーション」をわかりやすい形で図示したものになります
※より詳しい解説記事はこちらへ→【訪問看護の基本知識】機能強化型訪問看護ステーションとは?
画像出典:medwatch.jp
「機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し」の概要
では、「機能強化型訪問看護ステーション」について確認したところで、改定項目の内容に触れていきましょう。
・本改定の趣旨
「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」
・本改定の基本的な考え方
「在宅医療を推進するために、機能の高い訪問看護ステーションを実情に即して評価する。また、超重症児等の小児を受け入れる訪問看護ステーションを増加させるために、超重症児等の小児の訪問看護に積極的に取り組む訪問看護ステーションを評価する。 」
<用語解説>
・超重症児
常に医学的管理下に置かなければ、呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な障害状態にある子供のこと
※詳しい判定基準についてはこちらを参照のこと
※より詳しく知りたい方はこちら(「超重症児」に関する8府県でのアンケート調査を基にした論文)を参照のこと
・改定項目概要
機能強化型訪問看護管理療養費の算定要件の年間看取り件数に、在宅がん医療総合診療料を算定していた利用者を含める。*
また、機能強化型訪問看護管理療養費の実績要件において、看取り件数だけでなく、超重症児等の小児を受け入れている実績を評価する。
* 「在宅がん医療総合診療料」についてはこちらを参照のこと。
▶ 次ページへ:「機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し」の具体的内容とは
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