看護目標と言っても「病院や看護部全体を通した目標」、「病棟患者への看護目標」といった組織としての目標や「看護師個人の目標」といった個人のキャリアに関わる目標、「患者さんや利用者への看護目標」の4つの考え方があります。
いずれも看護の質を高めるために設定されますが、日々の仕事の中で特に迷うのは、やはり患者さんや利用者さん一人一人に対する看護計画における目標ではないでしょうか。
今回は看護計画における看護目標の立て方のポイントについてご紹介させていただきます。
画像出典:careerfaqs.com.au
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本記事の目次
看護目標とは
看護目標とはその名のとおり、看護行為(看護ケア)をする上での目標のことをいいます。
看護過程には①アセスメント②看護診断③看護計画④看護介入➄看護評価の5段階があります。
看護目標は③看護計画の段階で設定され、①アセスメントと②看護診断を丁寧に行うことで、適切な目標が抽出されます。
看護過程について詳しく知りたい方は〈こちら〉へ
看護目標を立てるポイントとは
看護目標を抽出するためにはアセスメントが必須
看護目標は患者さんや利用者さんそれぞれに異なります。
なぜなら、対象となる方にとって解決していきたい問題は様々だからです。
たとえ同じ疾患であっても、その方の病歴や現在の状態や治療方針、生活習慣や家族背景、社会的役割などは、一人一人異なることが当たり前です。
そのため、まずは対象の方のあらゆる情報を総合的に収集して分析や解釈を行っていきます。
これらの過程がアセスメント(見立て)です。
※フィジカルアセスメントのポイントは〈こちら〉へ
看護診断の段階では看護ケアで解決可能な問題を抽出していく
対象の方の情報を収集したら、それらの情報を踏まえて今後解決していく問題を抽出していきます。
長期目標の設定は症状を中心とするだけではなく、当事者や家族の希望を聞きながら、退院後の生活も含めて考えていく必要があります。
中には、看護ケアでは解決できない問題もあるかと思いますが、そういった点は、他の専門職と連携していけば良いのです。
看護師は看護ケアによって解決可能な問題を抽出し、看護計画に繋げていきます。
この看護ケアで解決可能な問題を決定することを看護診断といいます。
長期目標と短期目標を設定し看護計画をたてる
看護診断によって抽出した課題は多岐にわたりますが、より優先度の高いものを目標に設定していきます。
そして、それらから大きな目標(長期目標)を設定し、より短期間で解決可能な具体的な目標(短期目標)を設定していきます。
長期目標には、完治や退院後の生活などの最終的な目標を挙げ、長期目標を叶えるための過程で起こりうる課題を短期目標として設定し、ひとつひとつクリアしていくイメージです。
患者さんや利用者さんを全人的に捉える
看護目標を立てるには患者さんや利用者さんの病態だけで捉えるのではなく、その人の退院後の生活をイメージしていくことが大事です。
たとえば、退院後に一緒に生活する家族がいるのかどうかでも、患者さんに求められる自立度は異なります。
体調や薬の管理などを家族に依頼するのか、自分で管理しなければならないのか同じ自宅退院でも、短期目標で設定しておきたい項目が異なるということです。
もし病態へのケアに偏った目標になり、対象の方の特徴がみえてこないような計画の場合には、対象者の情報で足りない部分はないかを見直す必要があるということです。
※参考記事:j-depo.com
看護計画における看護目標を立てるポイントとは 〜まとめ〜
患者さんや利用者さんに対する看護目標は、病気や症状のみで判断するのではなく対象の方一人一人を全人的に捉える必要があります。
利用者さん、ご家族の意見を看護目標に取り入れることで、QOLの向上につなげて行けるのではないでしょうか?
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