いよいよ、本シリーズも最後を迎えました。
前回の第7回は、在宅医療・ホスピス業界の課題について述べましたので、今回は、「必要なこと」について述べたいと思います。
最期の今回、読者の皆様が在宅医療・ホスピスについて十分に考えるきっかけとなれば幸いです。
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『在宅医療・ホスピスのイロハ』の目次
第8回 シリーズまとめ ~在宅医療・ホスピス業界に必要なこと~
在宅医療・ホスピス業界に必要なこと3STEPS
在宅医療やホスピスの業界において重要なこと・必要なことは、
政府をはじめとして各所で述べられていますが、
Be Nurseでも一つの整理をしておきたいと思います。
以下の通り、分かりやすく3つのステップでご説明していきます。
STEP1 マインドとスキルを持った医療従事者の育成
前回述べたように、「在宅医」の育成は必要不可欠でしょう。
研修・教育システムの効果を組織横断的に共有し、国家全体で人材育成に力をあげることが非常に重要です。
画像出典:seirei.or.jp
STEP2 連携の仕組み
在宅医療やホスピスには、患者さんやそのご家族の方を含め、多種多用な業種の方が関わります。
そのため、決定的に重要なのが、「連携の仕組み」です。
つまり、患者さんおよびご家族の不安を取り除くために、どういった連携の仕組みを作るか、という点が非常に重要になってくるのです。
下図を見れば分かるように、利害関係者が多くいる場合には、あらゆるツールを使って情報共有・連携を深めなければなりません。
それが、患者さんの求めるケアを提供するための、同時に不安を取り除くための近道となります。
※ちなみに、「在宅医療連携拠点」とは、在宅療養支援病院・在支診・訪問看護ステーションなどのことです。
画像出典:kimotsuki-cdh.jp
STEP3 多様な担い手創出・地域の理解
在宅医療・ホスピス業界がより進展していくためには、民間法人は重要になります。
ただ、多くの地域では、介護・福祉の各分野は民間法人の規模が必ずしも大きいとは限りません。
その点、地域に不足する支援・サービスが把握されたとしてもその事業化を民間法人だけに委ねることは難しい場合が多いため、地域の市区町村の協力を借りる取り組みは重要でしょう。
また、地域住民や高齢者自身が支援・サービスの担い手となることは、地域づくりの点からも特に重要です。
住民をサービスの受け手として捉えるだけではなく、住民とともにどのようにして不足している社会資源開発を進めていくのかという視点です。
例えば、サポーター養成講座などで地域住民への知識・技術の習得を促す取組を進めつつ、
その後に、住民自身が自立的に活動を始められるような仕掛けをつくっていくことなどがこれにあたります。
画像出典:kaigokensaku.jp
まとめ ~これからの拡大に備えて~
私たちは、死ぬときに何を考えるのでしょうか?
誰にも看取られず、無機質な病室のベッドで死ぬことを望むのでしょうか?
おそらく、違うはずです。
これまで、わたしたちは病院や施設で最期を迎えることをある種当たり前とみなしてきました。
しかし、この当たり前が変わろうとしているのです。
当たり前が変わるとき(もしくは変えようとするとき)には、いろんな場面で様々な変化があるはずです。
それをよりリアルに考えるためには、行政だけではなく、地域、個人のレベルにまでさかのぼって、具体的に考えなければなりません。
本シリーズはその具体論のための土台となれば、との想いではじめました。
この想いが、少しでも実っていることを期待し、本シリーズの結びとします。
画像出典:adevarul.ro
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