えっ、なんで? 元ディズニースタッフが医療コンサルに転身したワケ【NINO村田代表インタビュー1】

 

成人期のきっかけ ~ディズニーのサービスを医療に~

 

NINO村田、医療

 

――「ディズニーのサービスを医療に適用」という点についてですが、その理由についてもう少し詳しく伺えますでしょうか?

 

幼少時の看護師さんと、終末期のお子様と対応してる時の自分が重なったことにつきます。

不安な気持ちを和らげ、心のしこりを緩和できるというのは、看護師もディズニーランドのコンシェルジュも変わらないのではないか、と

 

特に終末期の子というのは、ディズニーランドに来られない人が多い。

この子たちの笑顔を守る為にはああいう看護話さんを増やさいといけないと思い、ディズニーを医療に適用するという発想に至りました。

 

――なるほどですね。「ディズニーのサービスを医療に適用」の内容はどのようなものだったのでしょうか?

 

はじめに手を付けたのが、病院の中にコンシェルジュを創る取り組みです。

ディズニーにおいては、ゲスト目線 / 患者目線で、同調や賛同ではない「共感」を産む要素はたくさん学びましたし、教えてもきました。

したがって、資格を創ることで、医療資格を持たない人が患者目線で働く構造を創ろうとしました。

 

空間プロデュースで五感を豊かに変える為に、医療・介護機関に音楽を提供しているカフェ・バーで働きながら空間の仕掛けを学習。

同時に、商業施設な事もあり多くの企業の代表の方々とこのプランの話を聴いていただき、ブラッシュアップ。

平たく簡単な道ではないと思い知りながらも、僅かなピースを拾い集めようとアメリカの医療ボランティア制度に病院介入への突破口を見出し、渡米・・・が、出来ず。(笑)
ビザの関係です。

 

それでもなんとかアメリカの医療を肌で感じたいと、無謀にも米軍基地にヒントがありそうだと単身沖縄へ。

仕事も家もないままでしたが、ここでも本当に人に恵まれ、アメリカ軍基地近くのカフェバーやホテルで働きながらお客さんの大半がアメリカの方という環境に出逢いました。

 

こうして非常に多くの情報・経験を得て、学びを深め、よりシンプルな答えにたどり着きました。

それは、「病院にコンシェルジュを配置するのではなく、既に働いている看護師さんをコンシェルジュ化できないだろうか」という視点です。

 

  • ・日本の病院は医療費も安く、そもそも寿命を延ばすことに特化しすぎている
  • ・寝たきりの方が世界一多い国が、寿命一位なんておかしい
  • ・伸ばすのであれば、寿命よりも健康寿命

 

こうした考えを持つようになったのですが、そのためには医療に依存せず、何かあれば病院ではなくそもそも病院に行かない様な健康意識改革も必要です。

それなしには、ただでさえ自己犠牲ありきで心も身体も時間も削っている看護師さんに「コンシェルジュ化」というゆとりをもたせる事は出来ません

 

つまり、遠回りになってしまうけど、まずは看護師さんの働き方を見直す必要がある病院を作るか?

いやいや、ちょっと待てよ。何かあるはずだ。

 

東京に帰り、アパレルや飲食等40社以上にプレゼンをして回った挙句、「理想論」と跳ね返された折。

たまたま話を聴いてくれたのが、ヨガ・ピラティスのスタジオ運営を行う「株式会社ぜん」でした。

 

ヨガ・ピラティスを受けている若い世代だけでなく、「健康」という概念を医療からも見直したいという会社です。

結果、私はこれ以上ない環境で訪問看護を0から立ち上げる事になりました

 

全く知識もないまま浴びるように勉強し、常識的ではないやり方で看護師さんに逢っていきました。

「3年で100名の仲間を見つけよう!」という野望的な目標の下、ここでも信じがたい位に人に恵まれました。

結果、2年で100名以上、自社採用率80%、定着率90%という結果に至りました

 

人材紹介に依存しない「入りたい、入って良かった、紹介したい」が成り立った瞬間でした。

 

――それ、本当にすごいですね・・・!

 

「働く看護師さん、つまり仲間も、かつては病気がちだったはずなのに今ではこんなにイイ笑顔になれるんだ。」

「仕事が上手くいけば、私生活も活気が出るって本当だな。」

こう実感しました。

 

もちろん、「全てが順調」 というわけでは勿論ありません。

しかし、少なくとも病院よりは、看護師さんが利用者さんやご家族に寄り添う事への重要性や可能性を感じたとのことでしたし、良いケアを届けるには自分自身のQOLが重要であることなどの「根幹」を定着させていくことが出来ました。

私としても、15事業所を通じ、病院を含む「地域」に恩返しができ始めたところでした。

 

しかし私は、1つの会社を大きくするためではなく、大きく言えば「医療を変えるキッカケ」をこの国に創っていこうと思い、ディズニーを卒業しました

 

ここでの経験や仲間たちは最高だけど、より多くの地域により良い訪問看護を届けたい。

もっと多くの企業や病院に「入りたい、入って良かった、紹介したい」という文化を届けるべきだ。

企業や病院という場所や、その経営層にまで私の理念をお届けし、私1人では成し得ないことを共に推し進めてもらいたい。

それが看護資格を持った人として生きる中での大きな要素――働く――を環境・空間ごと整え、強い経営・強い医療を創り上げていくに違いない。

 

こうして、より病院や看護師の本質的なパートナーとして、医療職の環境を良くするために創ったのが「NINO」です。(第1回:完)

NINOのホームページはこちらから

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※次回は、NINOの具体的な業務内容について伺ってまいります。乞うご期待!

 

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