小児在宅医療の現状と課題、そして気になる今後の展望とは??

 

小児在宅医療の現状と課題

 

次に、小児在宅医療の現状と課題について説明していきたいと思います。

 

小児在宅医療の現状その1:地域において高度なケアを必要とする患児が急激に増加

 

現在、日常的に医療機器と医療ケアを必要とする子どもたちが、地域において急激に増加している

厚生労働省の文献によれば、その要因が3つある。

 

  • 1つ目の要因:医療ケアを必要とする子どもたちのNICU(新生児集中治療室)から地域への移行。
  • 2つ目の要因:小児 科病棟からの医療機器と医療ケアを必要とする子どもの地域移行。
  • 3つ目の要因:もともと自宅、地域で暮らす医療ケアを必要としなかった重症心身障害児の加 齢に伴い、医療機器、医療ケアが必要になっていく問題。

 

これらの子どもたちは、親だけで介護している場合も多く、介護している家族が突然死し、介護を受けていた障害者も餓死して発見されたという悲しい報道が最近いくつかありました。

そのような事件が今後急速に増える可能性があります。

 

「地域における医療・生活支援の現状」

画像出典:mhlw.go.jp

 

小児在宅医療の現状その2:医療と福祉の提携不足

 

日常的に医療機器と医療ケアが必要な子どもを受けとめる地域には、本来医療と福祉の連携が必須になります。

しかし、現状では医 療と福祉は断絶されているといっても過言ではありません。

なぜならば、そこには以下のような問題点があるからです。

 

  • ・医療と福祉の文化の違い、特に専門用語の問題による相互 理解の不足
  • ・医療と福祉をつなぐ仕組みがないこと
  • ・最大の壁となる、福祉制度が、医療ケアのある子どもは地域にはお らず、病院にいるという前提で作られていること

 

医療と福祉が提携することが無いと、この先現れるであろう大きな問題は解決することはないでしょう。

今こそ、その現状改善が求められているときと言っても過言ではないでしょう。

 

「小児在宅医療 地域」の画像検索結果

画像出典:nagano-shounizaitaku.com

 

小児在宅医療の課題

 

次に、小児在宅医療の課題について説明していきましょう。

厚生労働省の文献によれば、小児在宅医療の課題は次の通りです。

 

  • ◉対象
  • ・医療の進歩に従い対象が変化している ・対象の子どもがどこにどれだけいるのか不明 
  • ◉制度・社会資源
  • ・複雑で見通しが悪い支援制度 
  • ・医療と福祉の連携とコーディネーターの未整備
  •  ◉担い手
  • ・医師‥‥高度医療の知識・技術の必要性 誰が担うか不明
  • ・看 護 師‥‥病院看護との違い、医療機器の壁
  • ・ヘルパー‥‥医ケアの壁、制度の未熟
  • ◉当事者団体 ・障害のある子どもの変化に対応できていない

 

現段階においては、まだまだ制度等が未整備という印象を受けますね。

当事者団体によって議論を重ね、小児在宅医療への認識を深める必要があると言えるでしょう。

 

「小児在宅医療 課題」の画像検索結果

画像出典:igaku-shoin.co.jp

 

小児在宅医療の今後の展望

 

厚生労働省の文献によれば、小児在宅医療の展望は下記の通りです。

 

  • ◉対象 :行政主体の実数調査の実施 ・医療の進歩を前提とした実数把握の仕組み作り 
  • ◉制度:社会資源 ・複数の支援制度を包括する仕組み ・医療と福祉の連携とコーディネーターの整備
  • ◉担い手 :医師・看護師‥‥病院と地域の相互の人材交流の仕組み ・ヘルパ ー‥‥人材育成の仕組み作り
  • ◉当事者団体 :高度医療依存児の当事者団体の検討

 

小児在宅医療の展望は現段階においては、必ずしも明るいと言い切れることはできません。

ただ、今後、各個人・各団体の尽力次第でいかようにもなると思われます。

 

小児在宅医療の現状と課題、そして気になる今後の展望とは?? まとめ

 

ここまで、小児在宅医療の意義と目的から入り、背景、現状、課題、そして今後の展望と見てきました。

いかがだったでしょうか。

近年の医療技術の飛躍的な進歩は新生児死亡率の低下という大きな成果を達成しました。

しかし、その結果、また新たな課題を生み出してしまいました。

医療機器と医療ケアに依存して生活する子どもたちの登場です。

そこで着目されたのが小児在宅医療です。

たしかに、小児在宅医療は現段階においてはまだまだ未整備と言えるでしょう。

しかし小児在宅医療の今後の展開次第では、医療全体の質の向上となることは間違いないでしょう。

これを機に、小児在宅医療について少しでも意識して考えてみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

・「厚生労働省「小児在宅医療の現状と問題点の共有」
ナースフル「需要に追い付かない現状、小児訪問看護への期待」
鹿児島純心女子短期大学「訪問看護ステーションにおける小児訪問看護の実際」

小児在宅医療の課題と展望

 

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