フィジカルアセスメントを行う際のポイント
フィジカルアセスメントが重要とお話しましたが、頭のてっぺんから足の先までやる必要はありません。
①まずはバイタルサイン
正しい手技でバイタルサインを測定することが必要です。
そのうえで、初めて訪問するお宅であれば、普段のバイタルサインを本人や家族から聴取しながら、普段との違いの確認を行います。
②視診・聴診・触診・打診などで情報収集
こちらも基本ですが、呼吸音の聴取・評価をするにしても、聞いたことがなければわかりませんので、異常音を聴いて覚えたり、触診や打診についてもスキルを身に着けておく必要があります。
視診についても、中心静脈圧の推定なども可能です(詳しくは前述した山内先生の著書にも書いてあります)。
これらの技術を駆使し、患者さんの体の状態を把握します。
③緊急性を判断
バイタルサインにしても、そのほかの症状にしても、その症状が「急に」現れたのか、「徐々に」現れたのか、症状が「急激に」悪くなっているのか、「徐々に」悪くなっているのかなどを問診にて確認する必要があります。
その中でも、「急に」「急激に」というキーワードがつく場合には緊急性が高い場合が多いので、迅速に報告や受診をする必要があると言えます。
以下に、緊急性を判断する一般的な基準についての要点をまとめます。
※あくまで個人差がありますので、参考程度にしてください。
- ・呼吸数が30回/分より多い、8回/分未満など急激な呼吸数の変化
- ・脈拍数が130回/分より多い、40回/分未満など急激な脈拍数の変化
- ・spO 2 90%未満(特に酸素投与下)、会話時呼吸困難など急激な酸素化の悪化
- ・収縮期血圧90mmHgなど、急激な血圧の低下
- ・説明できない意識低下やせん妄、痙攣重責など急激な意識低下
- ・尿量が4時間で50ml未満など急激な乏尿
- ・その他(患者さんがどうもいつもと違って変、対応困難な疼痛など)
以上がフィジカルアセスメントのポイントとなります。
フィジカルアセスメントとは〜まとめ〜
訪問看護においては体調の変化の早期発見や状態の急激な悪化を防いでいくことが求められます。
フィジカルアセスメントにより患者さんの状態を的確に把握・判断し、往診医への報告や早めのかかりつけ医への受診をすすめたり、場合によっては救急要請を行う場合もあります。
今回はポイントを説明させていただいたので、ぜひ実践に活かしてみてくださいね♪
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