平成28年度(2016年)の診療報酬改定では、
在宅領域(在宅医療・訪問看護・(ホスピス)緩和ケア・看取り)に関わる制度改定が多数行われました。
これは、在宅領域が医療・看護・介護業界に関わる”すべて”の方々に大きな影響があることを意味します。
しかし、webサイトでは、政府資料のペーストがされているのみで、情報が整理されているとは言い難いのが実情。
そこで、ビーナースが他サイトに先駆け、「在宅」にかかわる診療報酬改定項目を順次見やすい形に整理していきます。
今回は、中でも「地域包括ケアシステム」に関わる改定項目(「地域加算の見直し」)を、用語解説を含めてご説明します!
※公式資料はこちら(本記事に関連するのはp42)
「地域加算」について
まずは、「地域加算」の基本事項についてご説明します。
「地域加算」とは
介護報酬の算定式
まず、地域加算のご説明をするにあたり、簡潔に介護保険料の算定式について紹介します。
介護報酬(介護サービス提供者が受け取る報酬)は以下のように算定されます。
介護報酬 = 単位 × (10円+地域加算)
単位 = 介護レベル(要支援1~要介護5) × サービスの内容 × 頻度
※上記算定式は、地域加算の概要をご説明するために必要な要素のみを考慮した簡潔な算定式となります。
上記算定式にて、
「地域加算が介護報酬の決定に際して重要な要因であること」が分かっていただけたら大丈夫です。
では地域加算とはその性質としてどう定義されるのでしょうか。
厚生労働省によると以下のような調整をするための方式といえます。
(地域加算)は介護報酬は、サービス提供地域ごとの人件費などの地域差を反映させる
ため、1単位10円を基本として地域区分を設定し、区分ごとに割り増しを行う調整。
繰り返しになりますが、「同様のサービスに対する介護報酬についても地域間で必要経費(土地、家賃、人件費等)は違うのだから、報酬にもその部分は反映させましょう。」という考えを介護報酬の算定式に組み入れたものであるといえます。
では、現在の「地域加算」の詳細はどうなっているのでしょうか。
「地域加算」の詳細
以下の図は、地域加算の加算割合を表す表になります。
画像出典:mhlw.go.jp
図を参照していただくとお分かりの通り、地域区分は1級地からその他まで分かれており
また、介護サービス種類によってもその加算割合異なる事も分かります。
例えば、
東京23区内にお住まいの方(1級地)が訪問看護(人件費割合70%)のサービスを受けた場合
1単位当たりの金額は...
11.26円×(10円×(1+18%))=13.28円 となります。
▶ 次ページへ:では、「地域加算の見直し」って何??
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