本記事の目次
【三大認知症その.2】脳血管性認知症
脳血管性認知症の大半は脳梗塞によって発症してきます。
脳梗塞が原因であることから、主な症状としては実行機能や遂行機能といったしびれや麻痺症状が出現します。
脳血管性認知症はダメージを受けた部位が「海馬」や「海馬傍回」の場合には、記憶障害が発症しアルツハイマー病をともなう認知症になります。
多発性病変といわれる多発梗塞性認知症が一般的ですが、局所性病変によっても発症してきます。
脳血管性認知症:初期症状の特徴
- ・病変の部位や大きさ、分布によっても多様であり、経過も症状ごとに異なる。
- ・初期症状も多彩であることから、アルツハイマー型認知症のように、記憶障害が初期状態から出現するわけではない。
- ・麻痺、固縮、反射の亢進、感覚障害などの局所的な神経症状が出現することも。
脳血管性認知症はまだら認知症
脳血管性認知症は高血圧や糖尿病、心疾患などのリスク要因を有していることが多く、生活習慣病と密接につながっています。
ダメージを受けた部位によってもその症状は異なってきますが、機能の低下にばらつきがあることから「まだら認知症」とも呼ばれています。
脳血管性認知症は、ある程度判断力は保たれていることが多く、病識が失われることはほとんどないといわれています。
しかし、ダメージを受けた部位によっては、人格崩壊になってしまう場合もある認知症なのです。
画像出典:ravennanotizie.it
【三大認知症その.3】レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、パーキンソン病と特有の精神症状を示す認知症になります。
レビー小体はパーキンソン病の原因にもなっており、びまん性(病変がはっきりと限定できず、全身や臓器全体など広範囲に広がっている状態)に出現して認知症を発症するといわれています。
レビー小体型認知症:初期症状の特徴
- ・アルツハイマー型認知症と同じく記憶障害で始まる。
- ・非常に鮮明である「幻視」と呼ばれる独特の精神症状が出現。ただし、せん妄による幻視とは全く異なる。
- ・患者の意識がしっかりしている場合でも幻視は起こり、そしてその幻視の説明をしっかりできる場合もある。
レビー小体型認知症は転倒・転落のリスクが高い
レビー小体型認知症はパーキンソン病における病理変化であることから、姿勢反射障害と歩行障害のリスクが非常に高くなってきます。
安静時の振戦(筋肉の不随意のリズミカル運動)は少ないものの、姿勢反射が鈍くなるため、状況によっては手引き歩行や、車椅子を使用する場合もあります。
レビー小体型認知症は日本で発見されました。
しかし、正確に診断すれば、脳血管性認知症よりも多い病気だといわれているのです。
画像出典:boomermagazine.com
三大認知症。それぞれの初期症状の特徴とは? まとめ
本記事においては、三大認知症の初期症状の特徴について見てきました。
ここで、改めて三大認知症の初期症状の特徴について簡単におさらいしておきましょう。
- 【アルツハイマー型認知症の初期症状の特徴】:物忘れ、進行状態がゆっくり
- 【脳血管性認知症の初期症状の特徴】:病変の部位により症状が異なる
- 【レビー小体型認知症の初期症状の特徴】:幻視
このように、ひとくくりに認知症と言えど実に様々な種類があるのです。
認知症のイメージとしてありがちな物忘れだけがその症状ではありません。
少しでも何か心身に違和感を感じたら、病院にかかってみることをお勧めいたします。
参考出典
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