ホスピスと聞くと何を思い浮かべますか?
『ホスピス=死を迎える場所』
という認識の方が多く、看護師の方でも特別な意識を持つ方が多くいます。
しかし、『死=絶望』ではありません。
ホスピスは「死ぬまで自分らしく生きられるようにサポートするケア」なのです。
今回はホスピスで働くことの意義、今後について体験談を交えてご紹介させていただきます。
画像出典:rational-t.com
ホスピスとは
ホスピスの起源とは
「ホスピス」という概念は、決して古いものではありません。
おおよそホスピスを説明する際には、「日本ホスピス緩和ケア協会」の資料が引用されることが多いので、以下に引用させていただきます。
これまでの医療は、治癒させることに専念するあまり、治癒できない場合の対応がほとんど考えられていませんでした。治癒できなければ延命策を講ずるという図式が連綿と続けられていました。『検査・診断・治療・延命』という4つの働きが近代病院の目的と考えられてきたからです。
しかし、たとえば、病状の進行した癌患者さんの何割かが直面する激しい痛みや息苦しさ、変化する病状への不安に対しては、この4つの流れのなかで対応するには限界があります。
このような状況下におかれた患者さんの痛みと不安を、何とかやわらげてあげたい・・・。それがホスピスを誕生させたときの願いでした。
この考え方を本格的に実践してみせてくれたのが1967年、シシリー・ソンダース医師が率いたイギリスのセント・クリストファー・ホスピスです。(「ホスピスってなぁに?」より引用)
現在のホスピスは、癌などの重症・末期症状患者の看取り、ターミナルケアを行う施設などのことを指す言葉として使用されています。
ターミナルケアと緩和ケアの違いについて知りたい方は〈こちら〉へ
ホスピスケアの目的とは
「痛み」とは、身体的なものだけではありません。
その人からあらゆる苦痛を取り除き、心も身体も安らかに人生をまっとう出来るようにサポートする。
つまり、身体的、心理的、社会的、そして精神的或いはスピリチュアルな面を含む、多面的な苦痛が軽減され、患者さん本人、そして患者さんの家族が、死を受け入れられるようになる。
これが、ホスピスケアの最大の目的です。
ホスピスケアについて詳しく知りたい方は〈こちら〉へ
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